ここなっつぴぃす

紡いだ夢の先へ

ミュージカル「シデレウス 」観劇記録

 

『シデレウス』ペルセウス公演を観劇してきました。

 

13:00 開演(予定時間110分)

14:43 本編終了

14:45 星の便りを伝える講座

15:05 終演

 

 

井澤さんにハマってインスタライブを拝見したところシデレウスの宣伝をしておりまして、そのツイッターに飛んでみるとですね、愉快な稽古動画が流れてきたわけです(メイキング厨)。

 

お金と時間に余裕があったら行きたいなぁでも今月現場多いしテストも近いからなぁなんて考えていたのですが、頻繁に夜中に行われる井澤さんのインライと公演直前のLINE LIVEを拝見しまして、劇場に行くことを決意しました。F6のライブを見て彼の生歌を聞いてみたいと思っていたのと、憑依して公演終わったら厄払い行くほどの彼のガリレオを観たい一心で当日券。実はこれが人生初めての当日券だったのですが、5列目下手を当てまして感動しました(視力0.1以下の私でも裸眼で見える)。ちなみに、配信という選択肢は少しも頭をよぎらず。劇場までそこまで遠くはないしその日は予定もなかったので、これは間違いなく生で観た方が良い作品だなと(ミュージカルだしね)。

 

 

最近観劇する際には、“その作品を通して自分は何を思ったか・学んだか”を大切にしているのですが、今回は「研究することの意義・諦めない精神」を感じ取りました。

私は現在受験生で、総合型推薦入試に向けて演劇に関することを研究しているのですが、誰もが気に留めないことに目を向けることを肯定してもらえたような気がしました。ガリレオケプラーも、命がけで神や聖書に背く地動説を唱えていた。

ケプラーが自分の研究に意味がなかったと思ったとき、彼は「あの時間は決して無駄ではなかったですよね…?なら良かった…」と言っていた。無駄であろうがなんだろうが、その経験は自分の自信に繋がり、糧となる。個人的に、ケプラーの前向きな考え方が好き。

 

https://pokos.hatenablog.com/entry/2019/06/24/203000

参考にさせていただいたこちらのブログ主さんには本当に感謝です。

『Sidereus Nuncius』…読んでみたい。

 

 

初めはガリレオに敬語、先生呼びだったケプラーが、

ガリレオ「ひとつ気になるところがある」

ケプラー「なんでも聞いてください先生!」

ガリレオ「私が聞きたいんだ」

ケプラー「……はい……先生!」

この会話をして対等な関係になる。

 

ガリレオ・ガリレイヨハネス・ケプラーという歴史上の偉大なる人物を通して、色んなメッセージが伝わってくる。

ガリレオの周知的な人生をどこまで追うのか見当がつかなかったのですが、結末で描かれていたのは第1回宗教裁判後、マリアが父親の研究を認めるところでした。

異端の存在ガリレオケプラーがいるだけだと普遍的な疑問を持ちにくくなりますが、そこに神を信仰する(当時の当たり前の考え方を持っていた)マリアがいることでリアリティが生まれていたように感じる。

「知らなくても日常生活に支障なんて起きない事実なんだから黙ってればいいものを、どうしてわざわざ主張するのですか」とマリアから聞いたときは、異端者の世界に入っていてその感覚をすっかり忘れていたのではっとした。確かに、絶対的だとされていた神や天動説に反することを、身を危険に晒してでも主張する必要性はない。それでも彼らが地動説を唱え続けたのは、彼らの研究や経験があったりしたからではないかなと思う。

 

望遠鏡の発明

4歳の頃に患った天然痘のせいで視力が悪かったケプラー。彼がかけていたメガネから、2人はレンズを多く重ねることで星を見ようとした。最初は不可能だと考えていたガリレオが先に発明したときの曲。

 

観劇を決める前から毎晩聞いていた曲だったのでめちゃくちゃテンション上がった。木星の周りを4つの星が回っていることなどが説明されている。これらの星には協力者の子孫の名前を付けてあげようと、出版を協力してもらうときに交渉していたが結局はどうなったんだろう?イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト

この研究成果をまとめたのがシデレウスヌンティウスなわけである。

 

Sidereus Nuncius (usually Sidereal Messenger, also Starry Messenger or Sidereal Message) is a short astronomicaltreatise (or pamphlet) published in New Latin by Galileo Galilei on March 13, 1610. It was the first published scientific work based on observations made through a telescope, and it contains the results of Galileo's early observations of the imperfect and mountainous Moon, the hundreds of stars that were unable to be seen in either the Milky Way or certain constellations with the naked eye, and the Medicean Stars (later Galilean moons) that appeared to be circling Jupiter.

The Latin word nuncius was typically used during this time period to denote messenger; however, it was also (though less frequently) rendered as message. Though the title Sidereus Nuncius is usually translated into English as Sidereal Messenger, many of Galileo's early drafts of the book and later related writings indicate that the intended purpose of the book was "simply to report the news about recent developments in astronomy, not to pass himself off solemnly as an ambassador from heaven."Therefore, the correct English translation of the title is Sidereal Message (or often, Starry Message).

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Sidereus_Nuncius

 

要するに、

・シデレウス・ヌンティウスは別名『Sidereal Messenger』(Sidereal:星の、Messenger:便り)(=『星界の報告』:こちらの方が日本では浸透している)と呼ばれており、これが“ガリレオ先生とケプラー先生の「星の便りを伝える講座」”17世紀の天文学について語られるアフタートーク)の由来になったのではないだろうか。

・1610年出版

・観察に基づいた一番最初の科学的な研究。ガリレオの不完全な初期的な発見が記されている。 ex.月、数々の星、木星

・新ラテン語で書かれている

 

この作品の題名である「シデレウス」はシデレウス・ヌンティウスに由来しており、ガリレオケプラーの初期の頃の研究を重点的に描いていたのでこの本から名前を取ったのかな。

 

ケプラーガリレオの関係性

HPにもあるように、作家の想像力を加えて構成された作品なので、どこまでが史実に基づいているのかはわからない。しかし、この作品を通して思った彼らは、普通の人は考えつかない視点を持っており、互いの力を借りて新しい発見をしたいようだった。最初はケプラーを煙たがっていたガリレオだったが、次第に彼の主張が正しいのかもしれないと当時の概念を疑い始める。

 

シデレウスヌンティウスを出版してもらう際。ガリレオケプラーが共同で研究した成果なのに、執筆者は1人が良いと言われ、自分はケプラーの法則を示した本に名が刻まれているから良い、とケプラーはその名誉をガリレオに譲る。微笑みながら悲しそうな目をして。……切ない。もとはケプラーの手紙から始まったこの研究が、彼の名前では残らないだなんて。
そんな立場だからこそ、惑星の名前を教皇(出版手伝ってくれる人)の子供たちにちなもうという提案をしたときは、「悔しくないんですか!?」と怒っていた。

 

ガリレオの身が危険にさらされたことでイタリアに直接会いに来たケプラー。そこで、彼が自分の手紙や彼が出版した本をずっと持っていたことを知る。

ケプラー「彼らしいですね……」

 

ガリレオが第1回宗教裁判にかけられて彼が仕方なく自分の非を認めた際、その心を支えた言葉は、

 

ケプラー「生きてこそ真実を伝えられます!生きてこそ星たちの便りを伝えられるんですよ‼︎」

 

ガリレオが「あそこに我々が見たものがある。そのままあるんだよ!どうしてこれを嘘だと言える⁉︎どうしてこれを置いていける⁉︎」と叫んだ時の言葉だ。彼の前向きで決して諦めない心持ちは幾度となくガリレオを支えたことだろう。実際に、ケプラーが頻繁に言っていた、「できるよな…もちろん!」とある種自己暗示をかける言葉はいつの間にかガリレオも口にしていた。自分を信じて進んでいるのがわかる。

 

ガリレオ「私が見たものは全て事実です!!!私が全て証明できます!」

彼は自分の姿勢を貫き続けた。

 

ガリレオとマリア

独身であったガリレオの精神的支えであったのが長女ヴィルジニア(マリア)。彼女が最後にガリレオの説を信じたことで、彼は報われたのかな。少なくともマリアには信じてもらえて意味があった、と。

 

宗教裁判でガリレオの説を信じるマリアの発言を聞いていた際のガリレオが、頭を支えながら笑っていた。

 

一番最後のシーンではガリレオがマリアの肩を持つ。マリアも心を許していて、互いを信じ合う親子の絆を感じた(そして身長差)。

 

 

演出

最初の、ガリレオケプラーが文通をしているシーン。彼らはイタリアとドイツ、それぞれ違う国にいるので直接は会わず手紙でやり取りをしている(=手紙が届くのには多少の時差が生じる)のですが、それを同じ板の上で上手と下手に分けることで時間軸を統一しているのが演劇らしいなぁと思った。テンポ感が良いので楽しい。

開演15分前からスモークが出ていたのですが、このスモークが証明を合わさるとなんて儚いんだろう。赤の照明を照らせば炎(火あぶり)になるし面白い。

 

上手がガリレオ下手がケプラーの配置だったけど、移動が多かったのでわりとガリレオも下手に来てた。

 

舞台セットは八百屋仕様。傾斜がしっかりついているので、机の上に立った時のガリレオの迫力はすごかった。

 

自由劇場

演劇だけじゃなく劇場の観察も大好きなのですが、初めての自由劇場本当に楽しかった。

特徴としては、

・キャパは小さめ

・古いトイレ

・赤いカーペット

・低い椅子(明治座感)

・シャンデリアの存在感

・名前の看板

・落ち着いてる

 

ザ劇場って感じの劇場。こけら落としは2003年らしいので意外にもまだ中堅層。

 

 

 

 

そして何といっても曲が良い(観劇を決めた理由のひとつ)。

 

ガリレオの論文はイタリア語で皆が読めてしまうからダメみたいなことが言われてて(ラテン語だったらOK)、そういえばこういう話数日前に現代文の問題で解いたなぁと思い出しました。

 

この日はペルセウスの千秋楽が17時から控えていたので…太陽くんも同じ空間にいたのかなと考えると一石二鳥。

 

今回の座席が配信用カメラ(4列目最上手・下手)の真後ろだったので、配信画面もちょくちょく見ていたのですが、画面の切り替え(そのカメラの映像が使われている時は赤いランプが光る)が非常に面白かった。同じ演技を観ていても、上手と下手では見える表情や行為が全然違うわけで、スイッチングでは養生がよく見える方の映像を使ったり、また2人以上を映すときは斜めからの角度だとよく見えていいなぁと色々学んだ。カメラワーク楽しそう。

 

そして演劇のわりにはアドリブが少ないイメージだった。井澤さんがガリレオコール求めてたのが一番記憶に残ってる。

 

 

~出演者の印象~

 

・井澤さん

初見:F6

F6のFantaStic X-tasyを聞いてですね、「彼の歌い方好きだな…生歌聞いてみたいな…」と思っていたら、今度の彼の出演作品がミュージカルだと知る。行かないわけがない。ガリレオ完全に憑依してましたね。私はあの2時間、「井澤さんと広大くん」ではなく、確かに「ガリレオケプラー」を観ていた。花凛ちゃんとのサイズ感。机に立ってるシーンがガリレオの強い意思を感じてめちゃくちゃかっこよかったし、倒れてるシーンを目の当たりにして迫力がすごかった。黒ジャケットを羽織る姿は勇ましいし、白シャツも似合ってた(背中の大きさから感じる男性感)。

 

・広大くん

初見:シデレウス

初めて見た井澤さんのインライで広大くんの歌をめちゃくちゃ褒めていてどんなものなんだろう?と思って生で聞いてみたら彼も本当にうまかった。キー高め?高音が綺麗。声が優しい。本編後の講座の井澤さんとのキャッチボールが高すぎた。のと、関西弁でびっくりした。てっきり最初ふざけてるのかななんて思っていたのですが(失礼)、大阪出身だった。ギャップ。

 

・花凛ちゃん

初見:October Sky

半年前のオクスカのときはアフトも何もなかったので彼女がどんな子なのかよくわかってなかったけど、星の便りを伝える講座(という名のフリータイム)で井澤さんや広大くんより爆弾なのでは…と感じる。2人が色々ガヤを入れてたけど、その様子を見て和気あいあいとして素敵なチームだなぁと思いました。皆さんが言うように本当に不思議ちゃんだった。声高い。コメントが思い浮かんでないとき、先に他の人に回すの可愛い。

そういえば花凛ちゃんのファン(男性陣)も結構いたのですが、井澤さんのワンピースとかの話に賛同してる方と、後ろでずっと手を叩いてる方がいてくれたおかげで、井澤さんからのファンサを大量に享受致しました。何回か目合ったように感じる…(オタクあるある:錯覚を頻繁に引き起こす)。