ここなっつぴぃす

紡いだ夢の先へ

「殺陣まつり〜和風三国志〜」 観劇記録

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荒牧慶彦 俳優デビュー10周年記念公演『殺陣まつり〜和風三国志〜』

明治座

観劇日 2022年12月16日(金)

物販 11:00~

開場 13:50~

開演 14:00(13:55 チャイム)

終演 16:09

 

 

 


(記憶が曖昧なため、順番が違う可能性あります。ご了承下さい)

 

配役

趙雲 荒牧慶彦

関羽 君沢ユウキ

張飛 田中涼

汗明 司波光星

劉邦 田中朝陽

アンサンブル 20名


(偽)劉備 橋本祥平(日替わりゲスト)

劉備のもとへ導いてくれる人 和田琢磨(シークレットゲスト)

 

ゲストの登場シーン

・荒牧との馴れ初め

・シークレットゲスト登場→大喜利

・カテコ

 

 

内容

趙雲関羽張飛が張備を探す物語。舞台というよりは殺陣やトークがメイン。和風中国史とは言えど、歴上人物やストーリーを少しお借りしてるって感じ。冒頭でだいたいのあらすじを南孔明さんが説明してくれるのでご安心を。

 

 

昨日のまっきーのツイートがあってかイントロ流れた瞬間にペンラ付け始める観客。ペンラの色はほとんど青か紫だったけどちらほら緑や赤もある。

 

殺陣

荒牧→涼星→君沢の順でそれぞれ見せ場がある。

 

涼星「俺の背中に惚れてんじゃねぇよ」←惚れるわ

 

その後に司波(ラップ)→朝陽(ボクシングの素振り)。

 

 

トーク1

ゲスト:劉備・橋本祥平(日替わり) 

 

舞台中央の1部のステージが下に降りてそこから上げられるという豪華な登場で見参。

「「劉備身長縮んだ?」」

涼星くんと並べられて

荒牧「そっちの方がしっくりくるわ」

 

初めて会ったのは2015年5月の薄ミュ。

荒牧「祥平が先に座組に入ってて後から俺が入ったって感じだったんだけど、そしたら祥平が『待ってたよ』って」

祥平「いやいやいや俺そんなことしてない!」

当時のツーショットがスクリーンに出されて2人で再現してみる。

 

 

祥平→荒牧の印象

 

3位 アクシデントの対応

祥平「薄ミュで、水のキャップが前方に行ってどうしようってなった時に、踊りながらさーってそれをはかしてくれた」

 

2位 お家でゲーム

荒牧「午前同じ取材で午後の稽古も一緒でね、その間が結構あったから『家来る?』って」

祥平「それが初めて役者の方の家に上がった経験で。へぇ~~~荒牧さん家ってこんな感じなんだぁ~~~」

南「お家にあげるのはなかなかレアじゃないですか?」

荒牧「そうだね、まーしーとか祥平とか…でも結構レア」

 

荒牧「でもね、まーしーが言うには『祥平は師匠が55人いる』って(笑)」

祥平「いやそれはね、共演した人みんな好きになっちゃうの!」

荒牧「で、向こうも好きになるんだよね」

 

スマブラを一緒にやった。

荒牧「男の子だったらみんな通るよね」

祥平「『なんか使いたいキャラいる?』って言われて『俺はなんでもいいよ』って言ったんだけど、最終的にあらまっきーにコテンパにされました。一番恥ずかしいやつ!」

 

カミシモ1の楽屋

荒牧「俺たち(多分荒牧和田コンビ)は別だったけど、大部屋があって、そこ広い畳あるからみんな寝てた……のに、祥平が寝かせてくれないの」

「祥平劇場が始まる」

「祥平は楽屋でも頑張るからね」

この時の祥平くんの口癖「寝かせねぇーーよぉーー!!!」

 

1位 写真集の女性

冒頭でこの話をしてしまったので焦っていた祥平くん。

 

荒牧「舞台からはけた後、楽屋戻って俺の女装のページ開いてチューしてた」

 

その女性が最初はまっきーだとわからなかった祥平くん。

祥平「これ大丈夫かなーって」

荒牧「見開き1ぺージに知らない女性載ってんの??」

 

 

トーク後は荒牧×祥平で軽く殺陣

荒牧「大丈夫?刀長くない?」

祥平「そこまでちっちゃくないよ?」←真剣な表情

 

 

橋本劉備は偽物だったってことで、再び劉備様を探す旅が始まる。

 

 

100人斬り

上手下手両サイドにカウンター

 

100人斬りが終わった後、涼星くんが水と「さんそ」って書かれたボンべを持ってくる。

 

お披露目自己紹介

この間にプシューって酸素を吸収するまっきー。マイクがしっかりその音を拾ってた。吸収し終わったらごくごく水を飲む。

 

殺陣の解説

今日は光星くん。殺陣師さん曰く、光星くんの殺陣は優しい。

 

殺陣師→光星くん

「ラップで敵が倒せると聞いてますよ!!!」

 

ヒプステで使ってる「笑」って書いたセンスが出てきて、

殺陣師「(俺の)お腹を叩け」←着物はいでる

優しく叩く光星くん。

まっきーがその後パシっていい音を出して叩く。さすが。

 

 

トーク2

ゲスト:和田琢磨(シークレットゲスト)、橋本祥平

 

舞台セットの中央後ろから登場してきた琢磨くん。

荒牧「三国志同盟でね」

和田「なのになんだ呼んでくれないんだよ!!劉邦とかさ!!村人は嫌だよ!!」←駄々こねる

 

まっきーと琢磨くんの馴れ初めは刀ステ義伝。

和田「殺陣終わってはけた後さ、俺はあおいでもらってるんだけど、祥平は扇風機の前で『はぁ~~~』って」

「大変だねいろんな人のところ回ってるんだ(笑)」

祥平「そう、それで(時間が)潰れる」←冗談だよ多分

 

 

大喜利コーナー

 

テーマ1:20年後の荒牧慶彦こんなのは嫌だ!

 

「ひげだるま」とか「楽屋でもサングラス」とか色々出てくる。

祥平「20周年イベントで『パン祭り』を開催」

 

 

テーマ2:あらまとんの他に新しいキャラクターが登場!どんなやつ?

 

朝陽「よしひコン」←きつね

 

祥平「豆苗くん」

 

 

昨日俺イスで光星くんが選抜に選ばれたことを受けて、

和田「(リルノアに)おめでとうございます!」←丁寧にお辞儀


和田「(朝陽くんに)声良いね!?」

ってたくまくん挨拶

 

 

テーマ3:荒牧慶彦の弱点

 

テーマが発表された瞬間、イスが崩れて後ろに転倒する祥平くん。

「「どうした!?!?!?!?笑」」

祥平「なんか座ってて後ろにいって、『あれなんか俺おかしいのかな』って思ってたら」

「上向いてた?ww」

 

介抱する隣の琢磨くん。

 

涼星「俺も昨日それ座ったから」←一緒に償おうとしてくれる優男

 

パイプ椅子が出てくる。

 

気を取り直して大喜利再開。

 

和田「もう1人和田ってやつがいるんですけど、そいつがぬいぐるみ着てさ(ロクマチの話)わだっくまって!!もとはわだっくまは俺が先なんだよ!!」

 

光星「リルノアの舌出し♡」

 

ref. 裏レポまっきー

「領収書」って書いたけど、「祥平」の流れを受けて「橋本」に書き直したまっきー(3回席0番だったので見えた)。領収書は没案へ。そこの話もっと聞きたい。見えたとき吹いてしまった。リアルすぎる。

 

明治座あらまとん牧場

キャストの皆さんが準備している間にスクリーンであらまとん劇場。

脚の短いあらまとんが牧場の柵を越えようと奮闘するところに魔王が現れる。それでもいっぱい練習して、なんとか飛び越えることができたあらまとん……のオチ ↓

荒牧「この柵は僕が直しておいてあげるね」

あっさり元に戻してしまう牧場主www最初からそれでいいじゃんwww

しかもあらまとんの声優が伊藤優衣さん、魔王がツダケンさんで超豪華。

 

 

そして最終的に、劉備は私たち観客のことであり、ずっと見てくれてたんだと気付く5人。

荒牧趙雲劉備のようにいつも見守って下さりありがとうございます」

 

 

最後の方はまっきー一人で歌う。

 

客降り 

15:36~15:53

(冒頭メイクを直しに行くまっきー)

 

3階席までしっかり各々のキャストさんが回ってくれる。カメラ目線してくれるしめちゃくちゃファンサしてくれるし神。Pasture箱推しなるしかない。

 

ref. 孔明チャンス:Pasture所属の出演者を撮影しているときに映り込む孔明さんのこと。

 

 

 

カーテンコール

(計3回)

 

涙を浮かべるまっきー。

荒牧「大学3年で就活しなかったあの頃の俺をたたえてあげたい。役者続けろよって。周りから『荒牧なにやってんの?』って言われることもあったけど」

 

 

開場中

幕は締まってる。

 

BGMに『Mystery&Doubt』(リアフェ)とか『オオサカ24金マジック 』(ヒプステ)とかまっきーがこれまで携わった作品の曲が流れてる。他にも刀ステっぽい曲もセレクションされてた(无伝の「♬ラッセラッセラッセイ~」もあったような…)。

特に『オオサカ24金マジック 』に関してはイントロ流れた瞬間、開場がざわついたようなそうじゃないような。でもある意味明治座とマッチしてるのか……!?

 

本人確認

入場するときも列ごとに入念に本確されてたり、開演3分前の13:57からはリストバンドの確認がされてたり、かなり厳しい感じだった。

 

その他

・どの席でも来場特典として明治のザ・チョコレートがもらえる(ベネズエラ、ブラジル、ペルー、ドミニカ共和国の4種類から選べる)。明治座とかけてる……?めっちゃ大盤振る舞い。

・プレゼントボックスは荒牧段ボール2箱分、他4人は1箱ずつ用意されてた。開場してわりとすぐ見に行ってみたら、まっきーの段ボールは紙袋とか手紙とか結構入ってた。ちなみに、主は涼星くんにお手紙を投函してきました。

 

 

出演者の印象

荒牧慶彦さん

初見:ヒプステ(?)

まっきーと明治座の相性最高。殺陣もすごかったしファンサも丁寧にこなしててさすがだと感じた。彼のファンの方々、絶対後悔しないだろうな。役者としての活躍はもちろん、社長として若手の育成をする姿に胸を打たれた。昨日の光星くんの選抜を受けて、俺イスの説明をしたり光星くんが5人に選ばれたことしっかり宣伝したり、抜かりない仕事っぷり。

 

君沢ユウキさん

初見:?

初見は覚えていない……けど、お名前がカタカナなのでどこか印象が強くて、少なくとも2022年前期の時点で認知していたと思う。初めて生で拝見させていただいて、ホリの深さが超タイプだったのと、トークから滲み出る優しさにほっこりした。

 

田中涼星くん

初見:Oh my dinner1

OMDでモロと共演していて名前は存じ上げていて(「涼星」ってインパクト)、アクターズリーグ2021で「ああーー!!OMD出ていた子ね!!」って記憶が繋がる。去年のカミシモぶりだったんだけど、この一年で彼の出てる作品を色々見て引き出しにびっくりした。相変わらず脚長い。客降りで2回席からはけるとき投げキッスして帰っていったのは反則。背中もまる出しで綺麗であの身長で落ちないわけないじゃん(高身長細身大好き)。

 

司波光星くん

初見:俺イス

たかみちくんが出てたから見てた俺イスの1話で、まっきーが「(リルノアは)僕の事務所に所属したんですよ。オーディション当時はまだだったんですけどね」って言ってて、でもリルノアなんて芸名の俳優さんいなかったよな…?って思ってたら、司馬光星くんと同一人物だと知ってびっくり。改めておめでとうございます。「司馬光星」一本で新しい一歩を踏み出す最初の地点に出会えて良かった。未だリルノアの印象が強いけど、多分少しづつ慣れてくるハズ。カテコでアンサンブルの方が一人一人挨拶してる時に、体を向けて全員にお辞儀してて、表面上はめちゃくちゃ主張強いように見えるけど、中身はとても律儀で礼儀正しい子なんだろうなって思った。多分光星くんは自らを前に出していけるタイプだから、その姿勢を貫き通してほしい。中にはそういうのが苦手だっていう人もいると思うけど、この業界ではとても主張し続けることって大事だと思うから。

 

田中朝陽くん

初見:Psture新人発表ツイート

もちろん今回が初めましてだったんだけど……まず顔が超好み。私の歴代の推しは基本ルックスから入っているので大事なポイント。それに、わだっくまさんもおっしゃってたけど声のトーンが良い。低くて落ち着いてて聞き取りやすいので、歌とかも練習したら絶対伸びると思う。早くミュージカル系やってほしい。光星くんと比べると引っ込み思案なように感じたけど、そこは同期に引っ張られて成長してくんだろうな。イチ役者さんとしてハマりそう。まぁ何年も未来の可能性を信じてフレジュ(入所したてのジャニーズJr.)界隈応援してるので、新人の舞台俳優さん推すのも筋が通ってるんだよな…。だからテニミュとかハマってしまったらもうキリがないと思ってる(とはいえ今回の公演入りたい欲が止まらない事態に陥ってるけど。作品そのものも気になるし、まぴくん怜也くんをはじめとするキャストさんにも興味がある)。

 

橋本祥平くん

初見:アクターズリーグ2021 or ドラマカミシモ1

アクリの時にお名前は認知したけど、顔が一致してたかというと記憶が曖昧。とりあえずカミシモのドラマで名前と顔が一致したのは確実。終始先輩にベタベタしてた姿が可愛かった。さすがみんなの愛されキャラ。椅子から転げ落ちるというアクシデントも笑いに変えてしまう大物。

 

和田琢磨さん

初見:アクターズリーグ2021

今回が初生っくま。琢磨くんは、特にアクリ2021の後夜祭の印象が強い。カミシモ2は観劇しなかったので彼自身のキャラを全然知らなかったんだけど、今回荒らすだけ荒らして帰ってった(笑)すごい愉快な方だった。わだっくまさんと祥平くんのおかげで笑い疲れたもん。

 

南圭介さん

初見:映画文ステBEAST

文ステの院長しか知らないのでめちゃくちゃ怖い印象だったんだけど、蓋開けてみると面白い方だった。写真撮影の間舞台上でずーーーっと途切れることなくベラベラ喋ってて愉快だった。彫り深いなーーー。あ、ご結婚おめでとうございます。ちょうど一日前に発表されたことをついさっき知って驚きました。末永くお幸せに!

 

虚構の劇団 解散公演「日本人のへそ」 観劇記録

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虚構の劇団 解散公演「日本人のへそ」

東京芸術劇場シアターウエス

観劇日 12月9日 夜

開場 18:00

1幕 18:30~20:12

休憩 15分

2幕 20:28~21:11

終演 21:13(トリプルカテコ)

 

 

あらすじ

吃音症を研究するアメリカの大学教授が東大に一時戻ってきて、患者数十名を対象として吃音症の治療として、浅草のストリッパーの半生をもとにした演劇を上演する。

 

1幕は先生が刺されるシーンで幕を閉じ、2幕はその犯人捜しをするところから物語が始まる。最終的には吃音症は完治とまではいかなかったが、少し緩和されつつあるという話。

 

劇場(芸劇シアターウエスト)

芸劇は建物全体として時間の流れがゆっくりで、座れる場所も多くて好き。忙しない今日とは少し分断された世界線。夜の芸劇のライトアップが超綺麗。隣の広場も噴水があったり水色にライトアップされてたりで幻想的だし、芸劇は夜になると顔が変わる。

 

劇場内のロビーは少し狭め(イスはいっぱいある)だけど、イーストウエスト共同のロビーが広いので全然問題ない。今回は劇場内のロビーで鴻上さんのサイン入り著書だったり、昨日発売された梅ちゃんの『残機1』が販売されていた(既に梅ちゃんは昨日鴻上さんに渡したらしい)。

 

座席はパイプ椅子に毛が生えた感じだけど、良い意味で安い感じのクッションなので長時間座ってても痛くない(普段座るイスと感覚が近いからかな)。当日券とか学割の座席は多分チケットを取った順。ギリギリに行く方は注意して。とはいっても芸劇はキャパが狭いので最後列でも裸眼で役者さんの表情見えるから、最後列がそこまでハズレだとは思わない。むしろ舞台全体を見渡せるので良いかも。

 

一番衝撃だったのはトイレ。便座便器全て真っ黒なんですけど!?だから水も黒く見える。外観だけではなくこういう劇場の中まで美的に建築されてるのがなんとも芸劇らしい。座高が低めなので、ちょっと腰つらいかもってくらい。

 

そうそう、芸劇といえばいつかプレイハウスのツアーにも行きたいんだよね。2023年回求む。

 

劇団の雰囲気

私は普段商業演劇を観ることが多いため劇団公演は実に昨年の鹿殺しぶりで、色んな発見を得ることができた。

 

まずは鴻上さんが開場中も終演後もロビーにずっと出てくださっている。スタッフさんと一緒にフライヤー配り始めたりとか、見学しに来た役者の方はもちろん観客の方とも積極的にコミュニケーションを取られていて、会場の雰囲気が温かい理由がわかった。

 

特に商業演劇の場合だと、ロビーの空気はどこか張りつめていて厳かで、観客層も9割以上が女性って感じで、その環境で育った私にとってはそれが当たり前だと思っていた。しかし、今回劇場に入ってみると歌詞の入った音楽が大音量で流れていて、観客の方は私みたいな学生もいれば男性の方(3~4割くらい)、役者の方、車いすの方、視覚障がい者の方、さらにはおじいちゃんおばあちゃん世代の方もたくさんいらっしゃって、文字通り“幅広い”年代層で溢れていた。座席の横では、初めて会った人同士が「お友達になりましょう」と仲良くなってる。本来、演劇の形ってこうあるべきだよなと思った。性別とか身体とか年代とか関係なしに誰もが楽しめて色んな人に出会える場所。助けが必要な人には手を差し伸べて、不快な思いをすることなく楽しめる空間。だから、虚構の劇団は温かい場所だった。色んな人が出会っているからパーティー会場みたいだと思った。

 

劇団員の皆さんも体張って、大きく動いて大きな声で喋ってたから迫力満載だった。もっと色んな劇団を観てみたい。

 

感想

冒頭の「あいうえ王が~」「ハヒフへ法を~」のシーン、あの大人数でそれぞれ違う激しい動きしてるのによく声揃えられるなと感心したのが最初。ここは言葉遊びも面白かった。「吃音は心の距離が遠いほど、自分と関係ないほど症状が軽くなる」といった教養も学べる。

 

スクリーンを使って、写真や絵、文字で場面設定を提示する演出。セリフ聞かなくてもそれでほとんど理解できるのはありがたい。

 

歌と衣装替えがめっちゃ多い。私は今ミュージカルを観ているのか?って感じだった。衣装も場面ごとにみるみるうちに変わってくし(今回は虚構の中で最も衣装数が多かったらしい)。

 

 

昔の戯曲だからなのか、かなりお下な内容が多い。

 

ex.1幕 浅草のシーン(ターゲット:ウメツ)

1回目 相手の人のが親指挟んでくれたうえでのキス→めっちゃつば吐くフリ

2回目 梅ちゃんが相手の人の乳首をくりくりする

3回目 相手の人がキスしてくる(直に)→めっちゃ苦笑する梅ちゃん

 

ex.2幕 みんなレズゲイですと暴かれる直前のシーン

相手の男性の足に自分の左足を絡めて、おしりとか足のきわどいところなぞられる梅ちゃん。

 

 

ストーリーは順調に進んでくんだけど、その中の自由度が高すぎてアドリブは多いし終始喜劇って感じだった。観客の方も慣れているのか笑いっぱなし。

 

ex. 1幕 殺陣の稽古のシーン(首や頭刺すくだり何回もしてたところ)

「この劇団いつ入った?」

梅「2015年です」

「俺はな、2007年なんだよ」

マウント取られてる梅ちゃん。

 

師匠に、今日のアドリブの出来は何点だと聞かれて

相手の方「60点」

 

ex. 1幕ラスト ヤクザのシーン(梅ちゃんが弟子入りしてもらおうとする)

舞台上の少しある段差から大袈裟に高いジャンプして飛び降りたり、段上に上がってからは背中でコロコロ転がる梅ちゃん(そりゃ腰も痛くなるわけだ)。

 

ex. 2幕大好きな先生をのぞき見していてさっさと帰れと言われてはけるシーン
梅「どたどた、きゃーー!!どたどた、きゃーー!どたどた、きゃーー!どたどた、どひゃー!!!」

withひょうきんすぎる動き

 

出演者の印象

ごめんなさい、今回は梅ちゃんだけ💦

 

梅津瑞樹さん

初見:キルミーアゲイン2021

馴れ初めとかの話は、これまでの観劇記録(キルミーアゲイン、漆黒天等)に書いてあるのでここでは割愛。ただひとつ言えるのは、梅ちゃんはいつも私に新しい演劇を教えてくれる。この日は30歳2日目の舞台。観劇前日12月8日に誕生日スペースでお父様をお呼びしていたという前代未聞的な配信をしていたということもあり、改めて「彼普通の人間じゃない」と感じた翌日に変人ウメツミズキにまみゆ。ハイライトは、2幕で舞台中心に置いてあった壁からひょっこりはんして綺麗なお顔を覗かせていた姿と、はけ際に超前かがみで顎出してにこーって営業スマイルしながら走り去ってく姿。そういやトリプルカテコのはけ際で柱に当たりそうになったときもにこーってして消えてったな…。


今回初めてホームにいる梅ちゃんを見てわかったこと。梅ちゃんのすっとんきょうなバラエティー力は間違いなくここで培われてる。劇団員の方たちは良い意味で変な動きしてる方ばっかなので、あの中にいても梅ちゃんが浮かない。すごい。

 

 

p.s.

誕生日スペースがアーカイブに残っていないそうなので、ざっとしたレポをここにまとめておきます。

 

2022年12月8日 22:30~ 梅津瑞樹スペース(ゲスト 本物のパパ)

 

【パパと瑞樹(たまにママ)】

父「たかしの父じゃなくてリアルの父です」

父「10年くらいはなんとか面倒みようと。それでダメなときは何か考えればいいじゃないか」

 

東西線で学校と会社に行ってた梅津親子。飯田橋のスタバの横で別れた後

梅「俺絶対サラリーマンできない」

 

喋り方が似てると指摘され、首をかしげる2人。

 

父「(幼少期の瑞樹は)イタズラっ子、素直で良い子、あんま手のかからない良い子、反抗期は本当に記憶にない」

 

父「ファンの皆様のおかげでございます」

 

梅「役者のスペースで一般人の父親呼ぶなんてなかなかないじゃん」

梅「だって一人寂しいじゃん。いや寂しくはないけど(笑)、なんかさ」

 

かつて入院して鼻に管を通した経験があるので、身に染みて健康の大切さがわかるお父様。

梅「皆様を通して親孝行ができているわけでございます」←推しの親孝行に参加するファン6300人。

 

最近腰が痛い。でもそれは床で寝てるからではなく、舞台上で腰から落ちてるから。

梅「なのでまだまだ床で寝れます」

梅「そもそも床で寝てるっていうの父さんの影響なんだよね」

趣味がキャンプなのは、自前のカヌーを持って愛犬と一緒に父がアウトドアの趣味を植え付けてくれたから。

 

梅「父さんの本棚から勝手に本読んでたりした」

 

父とはケンカした記憶ほとんどないけど、5年前くらいに大げんかしたことあった梅津親子。
いただきもののTシャツの柄が原爆モチーフで、梅ちゃんがそれを着ていたらお父さんに「それはやばいぞ?」と言われて外にバっと出て、頭冷やして仲直りした。

 

中3で京都へ2人旅行した親子。あれが2人きり旅行の最初。

梅「私立だから卒業論文があって、それ書くのに鬼の研究するので京都に連れてってもらった」

また旅行行きたいねーってなって、

梅「わかってほしいんだけど、俺も今なかなか暇がない」

今年はまだ実家帰ってないよねって話。

 

御年65のお父様。29歳になったばかりの時に結婚。

梅「僕は実家千葉なのでいつでも帰れますけど、親孝行は早めにした方が良いと思いますね」

一寸先は闇みたいな生活を送っていた過去もあって、梅ちゃん本人は焦ってた。

 

語尾の響きが似てるから口元が似てるんじゃないかという旨のツイートに、

梅「当たってる。口の形は似てる」

梅「僕が生まれたのは…父は35か」

 

父→息子へ
父「俳優として活躍してほしい。もっともっと君の活躍できるフィールドがあると思うし」

 

梅「俺は本来作家になりたかったはずなのに、今はこうして役者をやっていた役者を経由して本を出版して」

 

「瑞樹」の名前の由来

・父「“樹”は僕の名前にもついてる」
・ひいおじいさんが“こうき”なので、その名前にちなんで
・色々漢字を組み合わせた結果、意味が通るのがいい→“みずみずしい木”
・女の子だった場合も使えるし
・女の子だったら母さんの案で“さらさ”だった

梅「切りのいい歳だし、これから芸名さらさに改名してもいいかもしれない(笑)」

梅「小さいときは女の子っぽい名前だと思ってた。他の子はなんとかくんって呼ばれるのに俺だけ瑞樹さんって呼ばれるのが嫌で嫌で仕方なかったけど、今は綺麗な名前ですねって言われることが多くて嬉しい」

 

父「この子は賢いなって思ってた。相手のこと思いやれるしそういう行動できるし自分よりこの子は優れているなって」

梅「自分よりって笑」

梅「こわ父を超えてこその」「てことは瑞樹ジュニアは僕を超えるってことか」

梅「梅津家がここで途絶える可能性結構あるよ」

梅「まあそれはそれこれはこれ笑」

梅「自分の息子が役者なるって言ったら心配する。こんなにつらくて途方もない仕事ってないと思う。やりたいって言えばやらせるけどやりなよって勧めはしない」

 

梅「うちの父、品はいい。おひげも生えてるしね」

 

どっちの方が身長高いですかってツイートに、

梅「僕ですかねそれは。父はそれこそ年齢も年齢だから徐々に縮んでってる」

梅「僕の中の父さんは昔のまま。こうしてみると確かに歳とってるなって感じるけど両親が老けたって感じることはあまりない」

 

ぽぽぽーんぽぽぽーんってインターホンが鳴る。

梅「あ、ウーバーイーツが来た。父が頼んでおいてくれたんですね」

梅「扉の前に置くにした?」

父「うん」

梅「良かった」

 

知識は父親譲り。

梅「母は作家というか芸術家で。父もなんですけど」


家に本が大量にある梅津家。紙魚(しみ)って虫がベットに出るくらい本が多かった。
昔は本の蔵があったくらい。祖父母が本を買い与えてくれた。

梅「5700人が聞いてるこんな23時に」

梅「父にも母にも祖父母にも友達にも好き勝手やらせてもらってる。中学の頃に出会った友達にも感謝」

 

梅「父さんと母さんにはここまで育ててくれてありがとうございますって感謝。まあ好きですよ父も母も友人も皆さんも(照)」

梅「ほんとに丁寧に育ててもらったと思いますよ。」

 

赤ん坊のときに高い高いして梅ちゃんの頭を天井にぶつけたことがあるパパ。

 

梅「(ツイッター)やってたとしてもそれ教えるわけにはいかないでしょ」

父「(小声で)アカウントは持ってる」←可愛い

 

ここでまさかのパパオンリータイム。

梅「お父さん本当に申し訳ないんだけど、一瞬トイレ行ってくるから父さんなんか話してて。上にスワイプしたら読めるから」と言って捌ける梅ちゃん。

真面目に質問に答えるパパ。

父「うーーんなんだろうねぇ…詩集句集であれば万葉集がいいですよ」

父「『東大に行け!』こんな感じなのかな?よくわからない」

 

梅ちゃん帰還。

梅「何話したの?」

父「いや大したことないよ」

 

梅ちゃんツイートを読んだのか、

梅「父さん東大じゃないじゃん!」「父は僕みたいなネジがとんでるやつじゃないので本当に頭が良いので。東大と同じくらいの良い大学出てます」


梅「なんで万葉集薦めてるのw」

父「僕万葉集好きだからさ」

梅「万葉集のどういうところがいいの?」

父「当時の人の生の声がダイレクトに~」

 

お父さん漫画やアニメも好き。

 

梅「父さん本当にご飯食べて良いよ」

 

梅「父さんのガチ恋になるってこと!?!?(爆笑)いや、人の好きは人それぞれだから(笑)でも残念ですが僕の父には僕の母という決めた人がいるので」

 

【パパとママと瑞樹】

梅「僕に似て母は気持ちの強い人(笑)」

 

梅「母さんが聞いてたら恐ろしいね。父さんと一緒にあとあとめちゃくちゃ叱られる」「母にあまり頭が上がらないというか、母が天下です」「母さんツイッターやってるかなそもそも」

 

梅「『何もしてないじゃない』母が聞いてる!ありがとうございます。 
人生で一番頑張った日ってLINEで言ってくれて嬉しかったです」

 

【ティティちゃんと瑞樹】

梅「ティティっていうのはうちで飼ってたゴールデンレトリバー(女の子)」

 

ティティちゃんに耳かじられてた。

梅「甘噛みじゃないよ血が出てたじゃない」

父「賢い犬だけに姉の立場として瑞樹の面倒見てましたね」

父「瑞怒られているいるときは間入って怒らないでみたいな。あの子が賢かったのかな」

梅「泣いてると寄ってきて涙をぺろぺろなめるんですよ。大丈夫?って」

 

梅「最近犬を飼いたいんですよ 」

犬派な梅ちゃん。

 

【パパと武子直輝】

俳優仲間の話はごく稀に聞いたりするパパ。
父「そういえば直輝くんとか~」
梅ちゃんの誕生日ツイートに直輝くんがピカチュウの写真を貼っているのを知ってるパパ。

 

直輝くんきいてるよというコメントに
梅「直輝聞いてるの?なおきー」

 

父→直輝くんへ

父「いつも瑞樹と付き合ってくれてありがとうございます」

梅「だって、直輝」

梅「俺結婚すんのかな直樹と」
父「父です😊」

 

最後に、

父「引き続きこの息子のことをよろしくお願いします」

 

舞台「はじまりのカーテンコール」観劇記録

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舞台「はじまりのカーテンコール~yourNote~」

@六行会ホール

観劇日 2022年12月7日(金)17:00

公演 17:00~18:55

アフタートーク(植田×安西) 19:00~19:15

 

 

本編

 

あらすじ

田舎の高校に通うゆうき、つとむ、りょうは幼馴染。17歳という進路を迫られるその頃、つとむは県大進学、りょうは役者の夢を志していた。一方でゆうきは実家の酒屋を継げと父親に言われていたことから夢を持っておらず、2人にどこかうしろめたさを感じていた。父のまさしは「お前は一足先に社会人になって自分で稼いだ金で生きていくんだ。だから今のうちにだらけててもいいじゃないか」と言われて「そうか...そうだよな」と納得するもどこか表情が曇っている。

 

18歳の夏。いつの間にかクリスマスもお正月もバレンタインデーもホワイトデーも過ぎ去っていて、時間の早さに驚くゆうき(免許証は持っているはずなのに、教習所の記憶がないらしい←時間の都合上そこはカットされてるので当たり前)。つとむは塾通いの日々、りょうは東京にオーディションを受けに行くことになった。夜行バスのロータリーまでりょうを見送る一同。出発ギリギリまで「東京ってセミいるのかなぁ」「セミって耳あるの?」「Wi-Fiで制御されたセミが大量にいてスピーカーから泣き声が聞こえる!に200円!」などとふざけていたけど、それぞれ寂しさを胸に抱えていたんだろうな...。まさかこれがりょうとの最期になるとは誰が想像したことだろう......

 

その日の天気は土砂降りの雨だった。オーディション、ワークショップを終えて観光も予定していたたが、雨がひどいので諦めて遠回りして帰るだけにしたりょう。しかし、その道中でスリップした車にはねられ帰らぬ人となる。

 

ゆうきはその訃報を、頭では理解していても心では理解できなかった。

「いるのが当たり前だったからさ...なんか...実感が湧かないっていうか」

 

そんなゆうきとつとむに、りょうの兄・るいが1冊のノートを渡した。

「お前らが持ってるのがいいから。俺さ、あいつに期待してたんだよ。役者になるために色々考えててさ...あいつは成功するやつだったんだよ、近くで見てたからわかる。あいつが夢叶えたら俺も変わるきっかけになるかなって。でもさ、あいついなくなっちゃってさ......なんでかな...期待してたあいつが死んで落ちこぼれの俺が生き残っちゃってんじゃんって..」

 

結局そのノートはゆうきが引き取った。大学受験を控えているつとむにとって、荷が重すぎたからである。そこには彼が夢を叶えるためにしてきたこと、気付いたことが記してあった。しぐさを言語化したり、感情表現の仕方だったり、ゆうきの知らないところでりょうは役者になるための努力をしていた。感銘を受けたゆうきは、りょうの意志を受け継いで自分が役者になる決意をする。

「あいつの思いをなかったことにしないために。俺があいつにできることってこれくらいしかないから」

 

しかし、父親がなかなか許してくれない。東京行きは認めないと、地元の劇団のチラシを渡して、酒屋で働きながら役者をやることを勧める。それでもゆうきは諦めず、父親に向き合って「挑戦させてください」と言い続けた。

つとむ「本気で目指してるんだ...多分だけど目つきが違う。本気になったゆうきの目だよ」

その情熱を汲み取ったまさしは自分が過去に役者を目指していた時期があったこと、結局挫折して今の自分があることを話した。

 

最後は父親に背中を押してもらい、ゆうきは東京に出ていくことになった。人生を賭けた4年間が始まろうとするーー

「つらくなったらいつでも帰ってきなさい。俺が見れなかった夢の続きを、母さんにも目せてあげてください」

まさしは手紙にお金と母親の形見であるネックレスを同封して彼を送り出した。

 

辿り着いたの世界・東京では、バイト先で同じ役者の夢を目指すタケルと出会う。

ゆうき「これはあいつの夢でもあるから。だから俺は2人分頑張らないといけないんです」

タケル「だからって焦っても良いことねぇぞ」

ゆうき「あいつが正しかったって証明しないと前に進めない」

 

いくつものオーディションを受けては落とされを繰り返す日々。しかし、小さい芸能事務所の社長・ウエマツさんに情熱が買われて、2人芝居の作品にスカウトされ初舞台を踏めることになった。

 

ノート通りにやっても上手くいかず、共演者のなつきさんには腹を立てられ、タケルさんをはじめとするバイト仲間には無視され続け、自分を見失ってしまったゆうき。彼は誰にもこの思いを吐くことができず一人で抱え込んでいた。

「やればやるほどテンパって、一歩歩くだけで怖いんだよ」

 

そんな行き詰っていたゆうきのもとに、就活で東京に来ていたるいが現れる。「なんか悩んでるのか?」と聞かれても何も吐き出そうとしないゆうき。るいは「俺がノート見せたからだよな」と自分の行動に責任を感じていた。

ゆうき「やりたいって思ったのは俺だからさ」

るい「一人で抱え込むくらいなら帰ってこいよな。誰もお前を責めたりしないからさ」

 

ゆうきの実力不足のあまり公演中止の話が持ち上がるほかに、電気代未滞納の紙が届いて、彼は追い詰められていた。金銭的な貧困が人間を精神的にも挟撃する。まさしからもらったお金を取り出して「こんなんに使うもんじゃない…」と首を振る。

 

そんな中久しぶりにつとむから電話がかかってきた。

つとむ「用事なくちゃ電話しちゃだめ?」「この前るい兄ちゃんから聞いてさ...なんかあったら連絡くれって言ってんじゃん」

ゆうき「…なんか甘えちゃいそうでさ」

大学では成績不振で苦労していることを打ち明け、話せて気が楽になったと言うつとむ。彼がゆうきの厚い壁を崩したのかもしれない。

つとむ「親父さん見かけたときは元気そうだったけど、なんか小さくなったな。一人で暮らしてるし仕事も一人でやってるからな」

 

「あいつの目に俺は負けたの。一人の大人だった。もう子供じゃないんだよな。俺のもとには置いとけないなって」

「つらくなったらいつでも帰ってきなさい。それは逃げではなく次への挑戦なのだから」

父親の言葉が蘇る。

 

つとむ「泣いてる...?なんかつらいことあった?」

「なんでもない」と笑って誤魔化そうとするゆうき。しかし、幼馴染の目は破れない。

つとむ「うそ、泣いてんじゃん」

ゆうき「......よくわかんない......!」

つとむ「ゆうき、もう帰ってきなよ。そこまで追い込む必要ないって。もう抱え込まなくていいよ」

ゆうき「….…俺もうちょっとだけ頑張ってみる...」

 

つとむ「そっか…2人芝居どう?共演者の人とは?」

ゆうき「なんとか…」

つとむ「正直に!」

ゆうき「……上手くいってない……!」

つとむは物怖じしない行動力を使えと、なつきさんとしっかり話し合ってみることを勧めた。

 

この電話で前向きになれたゆうきは、なつきの行きつけの居酒屋へ足を運び、彼の生い立ちやなつきがこの舞台を上演させたい理由を聞く。彼らは互いに言葉足らずで、焦っていたがゆえに相手に目を向けることが出来ず、空回りしていただけだった。語り合って以来、心が通じ合った彼らは無事に稽古を重ねて本番に漕ぎつくことができた。

 

ゆうきはこの苦境を乗り越えたことで、ノートに書かれていることの意味を次第に理解していった。

「これは2人がかりの挑戦だ。夢の続きを見せてやるんだ」

「演技に厚みが増したのは2人分だったから」

 

まさしやるいのもとには「父さんが反対した理由がこの一年だけで痛いほどわかりました」という手紙とともに舞台と電車のチケットが届くいた。

 

迎えた千秋楽。これまでずっと繰り返してきた台詞のはずなのに、頭が真っ白になってしまうというハプニングがゆうきに訪れる。もう自分はダメなのかもしれない…と頭を抱え始めた彼に重なったのはりょうの声だった。再び、自分は2人分背負っていることを思い出したゆうきは、カーテンコールに行き着くことができた。

 

父「俺は、カーテンコールは終わりじゃない次の始まりだと思ってます。今の景色を忘れずに、また新しい景色を進んでください」

 

「ようやく始まったよ……俺たちの物語!!!」

 

カーテンコール

翔太くん挨拶→(日替わり)河原田くん

河原田「振るなら言ってくださいよ~」

和泉「ごめん、俺たちは知ってた(笑)」

 

アドリブネタ

・りょう・るいの親父は長渕剛さん似。怒ると怖い。

 

・何かを見ていた(何かは忘れた)ゆうきのところに、父親が現る。

父「なーににやついてんだ??またエロ本か?」

と椅子の後ろに隠してあったコミックを拾う。

父「なんて言うんだよこれ?」

ゆうき雑誌名を挙げる(名前忘れた)。

ゆうき「ちょっとエッチなやつ入ってんだよ」

 

・「(父親とは)普段はエロ動画見せ合う仲なんでしょ?」とつとむだかタケルだかに言われるゆうき。

 

・酔っぱらってるいにかつがれながら歩くまさし。舞台セットの段差を見て、

まさし「どぶ…?」

るい「何言ってんだよ階段じゃん。いつも通ってるじゃねぇか」

 

・囚人と監獄の千秋楽が終わった後

つとむ「あの共演者さんも良かったなぁ」

るい「へぇ…(二ヤリ)どんなところが?」

つとむ「(苦笑しながら)芝居が上手い、爽やか…」

るい「内面はどうなんだよ、内面は!?」

つとむ「素直そう(照照照)」

 

アフタートーク(植田×安西)

ふざけまくるしんたくん。自己紹介を促されて「りょうでーす!あ、松田凌でーす!」ってボケたり(植田「違うやろ!」)、座ってと言われてイスあるのに地べたに座ったり、立ってと言われてイスの上に立ったり。

植田「絶対にやると思いましたよ!!!」

 

安西「色んな言葉が刺さるよね。俺もあそこまでではないけど色々あったな…って思いながら。電気代の未払いとか!」

 

つとむと電話しているときに吐いた「わかんない」っていうゆうきの言葉がめちゃくちゃ良いよねって話。あの一言に全部詰まってる。

 

安西「初めて舞台に立った劇場がここで、当時はとにかく情熱しかない状態なんですよ。具体的にどうこうよりも『俺はなるんだ』っていうそれだけ。それをこの劇場に来て思い出しました」

 

冒頭の翔太くんの長渕剛アドリブ。

いつもは自分が回収してるけど、いじわるしたくなって今日は翔太くん本人に「回収しろよ!」って言ったしんたくん。

(確かに翔太くんめっちゃ笑いながら少し困ってた笑)

 

しんたくん療養期間を経て。

安西「実はこのお話をいただいたとき、僕療養期間で、長期間療養生活していまして、そのときに…」

涙ぐむしんたくん。 

植田「大丈夫だよ」

安西「そのときに声かけてくれて……あ、これ演技ですよ?」

笑いにつつまれる劇場。

安西「それが凄い励みになって」

植田「結構頻繁に連絡も取り合ってたしね」

安西「今でもすごいありがたいし励みになったなって」

植田「それ芝居だったら上手すぎだよ?」

安西「じゃあ俺上手いのかもしれない」

 

植ちゃんの演出家感

植田「まだストーリーももっともっと成長してくんじゃないかなって」

安西「楽屋とかで圭輔が」

植田「おい!!!呼ばんやろ普段!」

安西「笑。植ちゃんがモニターで、自分の子どもを我が子を見るような目ですごい優しい顔で見てくれて。それがなんかすごく感動して」

植田「嫌だなー話だけ聞いてたら吉田に鋼太郎みたいじゃん」

 

アドリブが行き過ぎてる話

植田「自分達で遊んでほしい箇所が何ポイントかあるんですけど、なんかオーダーしてないところまでそうなってて。お父さんの『何にやついてんだ』のところ、『エロ本読んでんな』とか、なんか究極に滑ってから本編戻ってるんですけど!?」

 

安西「人ってやっぱり人がいるから生きてけるし、でも人がいるから傷つくこともあるし。生きてくうえで何かを取って何かを捨ててくのって大事ですけど。なんかこの演劇っていうものは病気を直接直せるわけじゃないけど、でも人間の本質的な部分を演劇の力で直せるんじゃないかなって思ってます」

 

植田「物語自体はすごくベタ中のべタだと思いますけど、でも僕はベタを本物にするのが楽しいなって思いました。公式からもアナウンスあったように、DVD化する予定がございません。まぁでも本来そういうものだと思いますし終わるからこそ忘れたくない思いが生まれるのかなって思います」

 


劇場(六行会ホール)

・キャパはかなり狭い。でもその分後列でも見やすい。コンタクトつけて視力0.6の女がL列からでも肉眼で役者さんの表情を確認できるくらい。

・座席の高さ文句なし、座り心地も柔らかすぎず固すぎずでちょうど良い

・マイクの響き方は微妙(嫌に響くというか。これは演劇専門の劇場じゃないので仕方ない)。マイクは入ってたけど、ほぼ地声状態。でもキャパが狭い分聞き取りやすい。

・混みあっていると、男性用のトイレも解放してくれる

・写真撮るスポット少なめ。入口のところは検温消毒があるので、撮ってる時間がほとんどない。しいて言うなら劇場内のポスター。

 

観劇動機

・今の自分が最も摂取するべき演劇だと思った

・植ちゃんの初演出作品

・翔太くんの演技を拝見してみたい

 

実はこの作品を観劇することを決めたのが2日前。植ちゃんが演出家を務めるということで話題になってたから存じ上げてはいたけど、本来観劇する予定はなかった。しかし、現在私自身が置かれている進路選択の道において何か背中を押してもらえたり、新たな発見を得られたり、自分と向き合うことができるかもしれないと思って劇場に赴くことを決断。あとは『忘華』での翔太くんの演技がすごいという声をたくさん聞いていたので、どんなものか知りたかったという好奇心。これについては「出演者の印象」で後述します。

 

登場人物

 

ゆうき

まだ将来のことを考えていなかった時期、笑顔で誰かを応援してたゆうきだったけどその裏ではすごい葛藤してたんじゃないかなって思う。定められた未来だから目標に向けて努力するとかよくわからないし、「頑張れ」って声かけても「努力したことねぇやつが簡単に言うなよ」ってなじられたり。でも、それをわかったうえで「頑張れ。お前ならできるよ絶対」って言えるゆうきって本当に強くて、仲間思いで、こんな優しい人なかなかいないよ……

 

もうひとつ彼の強みといえば、自分から他者に向き合って話ができるということ。父親に夢を話したときも諦めず自分で解決策を考えて掛け合ったり、嫌われてるって知っていてもなつきさんに自分から私的な話をしたり。辛くても苦しくても逃げずに戦い続けるゆうきの姿は全人類の背中を押してあげられると思う。

 

彼の人生は「目」「眼圧」(正確に言うと眼圧とは言わないらしいけど、気に入った表現なのでここではこう記しておく)に表れていると思ってる。つとむやりょうにもよく指摘されるように眼圧が強くて、その強さにまさしも負けたくらい。その目には真っ直ぐな彼の思いが宿っていて、一見純粋さに溢れてるんだけど、その奥には彼が抱えるりょうをはじめとする地元の人たちの思いとか、葛藤とかが詰まっていて。東京に出て日に日にくすんでいく彼の目は夢を見ていた時の彼と違くて、夢を追いかけて東京に来たはずなのにどんどんやつれていく姿は見るに耐えなかった。それなのに「俺がまだノートに届いてないだけだ!」とか自分を追い詰めちゃうから、気付かないうちに一人じゃ抱えきれない範疇にまで達していて、るいと再開しなかったらつとむが電話かけてくれなかったらどうなってたんだろう…って考えると怖い。

 

一番胸を締め付けたのは、ゆうきがつとむに吐いた「……わかんない……!」って言葉。たった5文字だけど、その中にプレッシャーや自分へのやるせなさや絶望や一人で抱え込んできたもの全てが含まれていて、しゃくりながらゆっくりした口調で吐き出されて、伝えられる人がいて良かったって思った。言語化の練習たくさんしてきたけど、言語化できないことだってそりゃあるよね。当時の自分と向き合うことがゆうきにとっては過酷すぎて、色んな感情がごちゃ混ぜになって出た「わかんない」なんだろうな。

 

最後、頭が真っ白になるもりょうのおかげで乗り切ったシーン、2人の声が重なったところは号泣した。改めて2人分であったことを思い出して、色んな荷を背負いつつも千秋楽を終えられて本当に良かった。あなたのその頑張っている姿は、あなたが思っている以上にたくさんの人に刻まれているよ、影響を与えているよ、って伝えてあげたい。

 

りょう

りょうの言葉には学ぶべきことがいっぱいあった。


・今日は言語化って考え方を思いついた。条件を言語化して再び実践すれば奇跡は偶然ではなくいつでも引き出せる。

・首の傾け方だけで色んな演技の選択肢が生まれる。呼び止められて普通に振り向くと警戒心がない。でも顎を引いて顔だけ傾けると警戒心が引き出せる。同じ行動でも条件次第で表現が変わるんだ。

・対話と距離感を意識

・2人のがっかりしたが浮かなければやり切った証拠だ

・オーディションは実力だけが見られているわけじゃない。実力のある人が欲しければ実力のわかっている人を選べば良い。可能性が見たいんだ。だから正直に、前向きに挑め。

 

とりあえず私も、小さな出来事を言語化するところから始めてみようと思った。彼は自分の弱さにも向き合える強い子だったんだなって思う。

 

そんな彼の最期はなんとも彼らしくて、るいが言っていたように最後の最後でヒーローになる夢を叶えた。たしかに庇い方おかしいと思ったんだよな…なんでわざわざ自分から飛び込んだんだろうって。なるほど、りょうらしいね、って思える最期を迎えられてりょうは幸せだったのかな。

 

ただ、りょうはりょうで自分の思っていることは口にした方が良かったのにって思った。「明日が来ない今日もある。だから今日の思いは今日伝えないと」って言葉がぴったりすぎる。幼馴染2人のために夢叶えようとかどこまでも無垢で健気な姿を、もっと見せても良かったんじゃないかなって。

 

つとむ

ゆうきの心の支え。受験勉強中は自分のことで精一杯でゆうきのことを気遣ってやれなかったけども、本来は仲間の心中に敏感に反応できる良いやつ。

 

まさし(父親)

男手ひとつでゆうきを支えてきた。誰よりも近くで成長を見てきたからこそ、「今日は何か嬉しいことがあったな」「今日は浮かない顔してるな」とか悟って声を掛けてくれる。逞しくて頼れるパパだけど、途中お母さんに「俺一人でなんとかできるかな」って弱音吐いたり、まさしはまさしで陰でもがいてたりして、悩まない・苦しまない人間なんていないんだなって思えた。それを乗り越えるからこそ、その先に見える景色が綺麗なんだろうな。「一人の大人だった。もう子供じゃないんだよな。俺のもとには置いとけない」っていうセリフ、全親子に届けたい。

 

父「たしかに、ショックだろうけど、自分の人生を生きないとな。りょうの分も」

ゆうき「あいつの人生ってさ...無駄だったのかな...」

のシーンは切実すぎて、18歳の高校生が背負うには重すぎる現実だけど、その背中を押してくれるパパも辛いんだよきっと。

 

「つらくなったらいつでも帰ってきなさい。それは逃げではなく次への挑戦なのだから」

「いつの間にか諦めることが正しいって思ってたのかもしれないな。あいつがさ、そうじゃないって教えてくれた気がしてさ」

ってパパはずっとゆうきの夢を応援してくれているんだよ。

 

るい

りょうの兄。りょうやゆうきを東京に送る時、幼馴染と一緒にずっと傍で見守ってくれて、頼れるお兄ちゃん感。アー写の儚さが苦しい。


なつき

「大事なのは“ルール通り”じゃなくて、“応用”なんじゃね?」

「ゆうきは技術もなにもない。だから必死に向き合うしかない。俺はお前の目の強さに気付いた。絶対諦めないってその意志が伝わってきたんだよ」

とか素直な人ではないけど、ゆうきに大切なことを教えてくれる2人芝居の共演者。

 

 

感想

将来への不安を抱えている人、中高生、生きる意味を探っている人に是非観てほしい作品。

 

ストーリーは笑い 2(アドリブ箇所):涙 8 のテイスト。一気にバーって泣くよりは、何回も山があってその度にツーって涙が出てくる。でも、この作品において泣く箇所は観客ひとりひとりが経験してきたことによって異なるのかなって思った。年齢を重ねているからこそ意味が分かる言葉もあるだろうし、未熟だからこそ共感して感極まる場面もあるだろうし。

 

現役JKが前に進めた話

約2時間、終始ゆうきに自分を重ねて見ていた。夢を追う姿、そこに立ちはだかる大人という名の厚い壁、理想とはかけ離れた現実への絶望、一人で抱え込む辛さーーゆうきの苦悩をタイムリーに全て理解できてしまうから切なくて苦しい。でも、その抽象的な感情をゆうきが言語化して届けてくれるから、自分がどうして今辛いのか改めて向き合うことができた。

自分の夢を追いかけるか、自分を犠牲にして周囲の意志を汲み取るか。どちらが正しくてどちらが間違っているかなんてわからないし、各々の価値観で判断するものだからその選択肢を否定することはできないけど、どうか若き世代にはガムシャラに夢を追いかけてほしいって俯瞰的に思った。「若いならまだ失敗できる」「若いうちに失敗しておけ」「若いうちにたくさん経験を積んでおけ」よく聞く言葉だけど、若いってとても大きな武器で、りょうが言うように失敗さえも自分の幅を広げるうえで大切な材料だから、私もまだ諦めないでみようって思えた。ストーリーにインスパイアされまくりだけど、演劇って人の心になにか残せる媒体だと思うから。私も今はとりあえず影響を受けるがままに頑張ってみようって決意できた。

 

演劇ってその時期その瞬間にしか成立しなくて、円盤化したところで作品や演出は残るけど劇場でしか感じられない熱や思いを受け取ることはできない。だから、演劇作品に出会うことは運と縁とタイミングであり、素晴らしいことだと思っている。このタイミングで上演されている作品が何十、何百とある中ではじカテを観ることができたのも一期一会。儚いけど、その儚さがより演劇を好きにさせてくれる。植ちゃんをはじめとしてキャストさんスタッフさん一同に本当に感謝したい。


ベタ中のベタって植ちゃん自身も言ってたけど、ぶっちゃけ話の内容は本当にベタ(冒頭でりょうがあっけなく亡くなるのは想定外だったけど)。でも、ベタがベタって言われるのって上演され続けているからであり、ずっと上演されてるっていうことは常に誰かの心に届いていているということでもあり。今回は私自身の心に刺さる言葉が散りばめられていた。ベタだからこそ欲しい言葉を言ってくれて欲しい結末を用意してくれて、それで前向きになれる人がいるなら、ベタを上演し続けることって大事だと思う。劇場には制服を着た自分と同い年くらいの高校生も数人いて。彼女たちの心にも何か刺さる思いが届いたのかなって考えてた。

 

親としっかり向き合い続けること、友達の声に耳を傾けることを忘れないでいようと思った。子どもは常に親に嫌われることを恐れていて、突き放されるのが怖いから迎合して自分の夢を自分の手で潰してしまっている部分が少なからず誰にでもあると思う。でもそれは結局自分のためにならないし、夢を追いかけるのを諦めたことはそのうち後悔する。だったら早いうちに親にやりたいことを話して、身内を味方につける方が良いなって、ゆうきとまさし親子を見て感じた。ぶつかることを、否定されることを恐れてはいけない。まさしも頭ごなしにゆうきを否定しているわけじゃなくて、息子に幸せになってほしいから反対してるんだよね。ただ、その心配が子どもを追い詰めたり、親に否定されたと思って自信を無くすことにも繋がるから、反対する理由があるならあらかじめ話しておいてほしい。

それと、持つべきものは友達。人生友達の数で決まるわけじゃないし、狭く深い付き合いの何が悪いの?って人類に訴えたい。もちろん、色んな人を知っていることはその人の経験値を豊かにしてくれると思う。でも、いざ自分が辛くなったときに親身になって考えてくれるのは深い友達だから。極限まで追い詰められていたゆうきを救ってくれたのがつとむであるように、大切な人は自分のことをちゃんと理解してくれているから。だから、くだらないことでも用がない時でも普段から大切な人とは連絡を取り合っていたい。

 

18歳のうちに出会えて良かった。

 

 

作品名の話。『はじまりのカーテンコール』って正直観劇する前はよく意味がわからなかった(というよりは深く考えていなかっただけだけど)。最後のまさしの台詞で全部紐解かれる意味ーー「カーテンコールは終わりじゃなくてはじまりの合図」だということ、ひとつの作品が終わったからといってそこで足を止めてはいけないし、ひとつの作品を通して得た学びを次の場で活かすってことなのかな。

 

演出面に関しては、植ちゃんがこれまで出会ってきた照明や音響を取り入れたんだろうなって思った。例えば、囚人と監獄のシーン内の、囚人としてではなくゆうきとして心情を語るシーンでは、一瞬ストーリーを止めてゆうきにだけスポットライトが当てられる。そこはエーステに近い演出。経験値が高いからこそ、役者の視点で良いなと思った演出を入れたのかな。

 

あと、個人的には時間の流れを服で表現するのが面白かった。前半の方で季節が冬から夏に変わるシーンがあるんだけど、ゆうきの羽織る一枚のパーカーによって強引さを感じさせることなく、スムーズに話が進められてる。

 

 

はじカテ語録

 

「たまに迷う。でも飛び込んでみないとわからない。そこで証明するしかない」

 

「止まっちゃダメだ。止まる暇があったら進め。できるかできないかじゃない。やるかやらないかだ」

 

「あいつの人生は無駄なんかじゃない。誰かの心に何かを残したんだ。それってすごく豊かな人生じゃないか」

 

「結果のために努力するわけじゃない。努力が結果をもたらすんだ」

 

「人生なんて誰かと比べるもんじゃない。お前はお前の人生を生きろ」

 

「悪口を言ってるやつは成長しない」

 

「この夢は俺だけの夢じゃない。みんなの思いでできている」

 

「自分の人生は自分だけのものじゃない。これは、みんなでできている」

 

「諦めない。諦めるのは積み重ねを全て壊すこと」

 

「大事なのは変わろうと思うことだ。大事なのはこれまでじゃない、これからだ」

 

「知らなかったことを初めて知って、これから知ることを喜べばいいんだ。人との出会いがお前を強くする」

 

「これからの人生をもう少し愛してやってほしい」

 

出演者の印象

高崎翔太くん

初見:松ステ

ギリギリまで観劇するか迷って結局できなかった『忘華』のレポを検索してると、みんな口を揃えて「翔太くんの演技が良かった」って言っているのを聞いて気になっていたのですが……本当にすごかった。これまで出会って来た役者さんの中で一番心が動かされる演技をする方かもしれない。特に泣きの演技では、語尾のしゃくりがリアルで切なくて繊細で。リアルを板の上で表現するってすごい勇気がいるし、でもそのリアルさが伝わってくるから観客にはとても刺さる。文字にするのが難しくて表現が合ってるのかわからないけど、「まだ聞いてないよぉー」「直接言えば良かったじゃんかぁ」とか語尾の小さい字に魂こもってる。初見のおそ松ではふざけまくってるので印象が違くて、良い意味でびっくりした。もっと彼の作品を見てみたい。

 

田村心くん

初見:刀ステミュANN(2021年11月13日)

2.5次元界の良心。雰囲気から滲み出てる良い人感。すごい謙虚だし仲間思いなんだろうなって演技を通して伝わってきた。アクターズリーグのバスケめちゃくちゃかっこよかったです。

 

安西慎太郎くん

初見:まーしーのブログ(2021年10月)

まーしーのブログを遡っていた去年、初期の方の記事でしょっちゅうしんたくんのお名前を拝見していたけど、ご縁がなかったのかここまで彼の作品を見たことがなかった…のですが、初めてプラハピの配信でお顔をご拝見させていただいて、結構好きなタイプだということが判明。アフトで黒スキニー履いた脚を広げてどーんと座ってる姿が超男前だった。今回初めてお芝居を見た感想は、“温かい演技をする人”。しんたくんが紡ぐ言葉は優しくてほっこりする。そしてアフトの「演劇には意味がある」って言葉にすごい救われた。誰かの心の支えになるってすごいよねほんと。

 

古谷大和くん

初見:エーステ

なんせ初見がシトロンなものだから、彼の演技の幅に驚かされた。今回の真面目な役からすっとんきょうな役までこなすことができるの?んでもってプラハピの配信見てみたら本人めちゃくちゃボケ倒すし沼でしかない怖い(ここまで一息)。就活のシーンのスーツ姿は脚長すぎてたまげた。本物のスタイル良い人類を初めて見たかもしれない。お芝居の話でいうと、最後に大和くんのアドリブ(心くんに「共演者のどこが良かったんだ」って聞くところ)があったことで、しんみりした気持ちだけではなく明るい余韻も残って良かった。

 

和泉宗兵さん

初見:ツイッター

初見がツイッターっていうのは、アイコンが印象的すぎて(黒縁に「宗兵」)強く覚えてるってことです。包容力ハンパない。確かに他の共演者さんより一回り大きいなとは思っていたけど、家に帰って調べてみたら186もあった(そりゃ包容力も滲み出てるわけだわ)。

 

根本正勝さん

初見:まほろばかなた

まさか2作品連続で根本さんにお会いするとは。先月のまほろばの時は衣装マジックだったのかめちゃくちゃ大きく見えたんだけど、シュッとした今回の衣装に身を包まれていると結構小柄で華奢だった。とりあえず大人の色気溢れるお顔と雰囲気が好き。

 

河原田巧也くん

初見:はじカテ

遠くから見たら輪郭とか鼻とか髪型が遼太郎くん似。嫉妬してゆうきを排除しようとする役がハマってた。本当に初見なのでもっと知ろう。

 

植田圭輔さん

初見:リアフェ

実はここにきてようやく初生植ちゃん。しんたくんと並ぶとまぁちょこんとしててちっちゃいこと。稲妻のようにツッコミいれるザ関西人。そのスピード早すぎるから見てて気持ちいもんね。上はジャケット着てたからあんまり感じなかったけど、下のスキニーの足首が超細い。折れてしまいそう。これは他の方のツイート見つけてなるほどって思ったのでおすそわけ……『START LINE~時の轍~』って植ちゃんの曲がはじカテにとてもリンクするので是非聞いて欲しい。この曲聞いたらいつでもこの作品のこと思い出せるよきっと。

 

ブログ主について

 

・学生

・現場は何回も同じものを観るより色んな作品を鑑賞したい派

・好きなタイプ: 細身、高身長、シャープなフェイスライン

 

観劇記録を載せたり、推しについて語ったり、雑多的に色々呟いております。7ORDERとジャニーズと舞台俳優が大好き。ジャニーズは物心ついた時から、舞台界隈は2021年から応援中。

 

森田美勇人くん

2012年〜

ノーズシャドウ濃いめだけどメイクなしでも美しい顔面。ダンスもベースももちろん大好きだけど、一番好きなのはガハガハ笑ってる時。ゲラでずっと笑ってる自担を愛でてる。早く個人舞台やってほしい。

 

梅津瑞樹さん

2021年〜

馴れ初めはこちらの記事参照。

https://kiminoyumetotomoni.hatenablog.com/entry/2021/09/28/010713

フェイスラインと鼻筋が国宝級。彼のお芝居やらバラエティー力やらは唯一無二だと思うほんとに。オールウェイズ・ウメ・ツ・ワールド。

 

和田雅成くん

2021年~

カミシモの島パーマサングラス世紀がどストレートに刺さる。真っ直ぐで熱くて意志は固いけど、周りを見ることもできる器用さが羨ましい(本人は不器用だーって言ってるけどね)。

 

 

明治座

私を観劇沼に落とした張劇場。ロビーは天井高くてシャンデリアギラギラで洋風なのに、劇場内はめちゃくちゃ和風。何このギャップ。早く着いても売店の雰囲気味わうだけで楽しいし展示物眺めるのも楽しいし館内を散策するのも良き。こんな有意義に時間を使える劇場、他に知らない。いやあるのかもしれないけど、明治座のアットホームさには敵わないであろう。

 

エーステ新参者が冬単に行くことを決意した

 

2.5界隈に落ちてから早一年。この一年で認識した役者さんや演出家さん、観劇する作品の種類が大幅に増えた。そして現在はというと、専らエーステの勉強に勤しんでいる。

 

 

エーステに落ちるまで

 

①認知期

 

エーステを最初に認知したのは、多分一年前くらい。カミシモに出ていた役者さんの8分の3がエーステ俳優だったので作品名を認知する。当時爆ハマりしてた植ちゃんや染ちゃんも出てたし。

 

そして今年の1月、たまたまニッポン放送のタイムスケジュールを調べていたら(ラジオオタクの習性)、刀ラジの後番組がエーラジであることを知る。えーーーここ2連チャンで2.5の冠なの!?ということで聞き始める(北園堪大回だった)。でも舞台は観なかった。でもSpotifyで偶然流れてきた@homeはよく聞くようになった。

 

今思えば、インスタの2.5垢で繋がってる人にエーステオタが多かったのにも影響受けてたかもしれない(だってストーリー見たらエーステの話題で持ちきりなんだもん)。

 

②ハマるか熟考する期

 

もうネタバレします。それは好きな俳優さんがめちゃくちゃ出てたから!!!まりはバナステでハマった水江さんを調べてたらエーステの秋冬公演打ち上げ模様YouTubeで見つけて、ほわほわぽわぽわなとしくんの沼に落ちる。ただ、この時はまだエーステが好きというよりは、好きな俳優さんがエーステ出てる、だからエーステ好きかもしれないって感覚だった。というのも、ほんの数ヶ月前までA3には苦手意識があって。恥ずかしい話、ビジュアル的に最初はアイドル育成系ゲームかと思ってたから、ジャニオタしてる私からすればどうしても2次元のアイドルを受け止められない。時を経てこれは役者育成ゲームだと知って少しハードルは下がったけど、それでも現実味を帯びた男児を育成することには抵抗があった。

 

ところがどっこいそんな私に転機が訪れる。

 

2022年8月前川優希くんにハマる。「トイプードルみたいな顔して声低っ!!!なにこのギャップ!!!

松ステで沼に落ちた井澤さんが出演してたシャイモンの配信を見た私の感想。

 

その20日後、アクターズリーグにて上田堪大くんにハマる。……なんだこれ私が好きになる俳優全員エーステ出とるやん。ということで、とりあえず大好きな俳優さんが集結してる冬組のact1を観てみることにした。良かった。演劇の中で演劇を観るというシステムが斬新で面白い。ゲーム原作だからってどこかなめてたけど、泣けるシーンさえある。ハマるかもしれない。

 

絶賛出願期間中だったけど、志望理由書書きながら今度は春単(act1)を観ることにした。ぜんまい仕掛けのココロで号泣。人間とロボットの友情ってなんて切ないんだ。つづるぅぅぅぅぅ(泣)主を思って命を絶つ決断をしたロボちゃんもすごいよぉぉぉ(泣泣)

 

③ゲームを始めた期

 

思ってたより早く進学先が決まったので時間ができた。これを期にゲームも始めてみようかな…?とついにゲームをインストール

 

結果: ストーリーを読みたくてめちゃくちゃ時間を注ぎ込むようになるジャニオタ、A3の廃人と化す。今は、何のバグかわからないけどストーリーが一気に100本以上解放されたので、刀剣乱舞と並行しながら1日1章ずつ読んでる。目標は来年の冬単までにガイさんを迎える章を読み終えること。

 

 

番外編Ⅰ~推しが定まらない話~

ゲームも舞台も含めて総合的に一番推していきたいのは東の姐さんなんであんなに美しいの?ゲームはもちろん、2.5においてもゲームからそのまま飛び出してきたかのような麗しさ。声の落ち着き、丁寧な所作(特に好きなのは座る時と顔を覗く時)、役者さんが実際に演じることで、より東の可能性が広がってる。

 

問題は2推し以降。本当に定まらない。単体では圧倒的東さんなんだけど、グループとしては春のあたたかさと秋のオラオラ同志感が好き。だから今はとりあえず気になっているキャラを挙げてみる。

 

碓氷真澄

カントクへの愛がこうも熱いとこちとら気にならざるを得ない。あんなクールな顔して情熱的にアタックしてくるとか反則。真澄って夏組とか秋組にいたらヨーロッパの火薬庫の如く戦争が勃発しそうだけど、温和なメンバーに囲まれているのでひとまず安心。

 

皆木綴

カンパニーの脚本担当。書き終えた途端バタンキューで、春組メンバーに担がれる一連の流れが好き。顔が好き。特に優しい目元。

 

茅ヶ崎

声優さんが浅沼晋太郎さんでびっくりした。左馬刻ぃぃぃー!としくんの至も好きだし、そもそも一流商社マン醸し出してるビジュが好き。

 

瑠璃川幸

ちっちゃくて生意気だけど、まだ幼さが残ってて照れ屋なところが可愛い。天馬との掛け合い最高。

 

三好一成

声優も舞台も燈くんでびっくりした(色々あったもんね...)。一成は一番ビジュアルがタイプ。性格はチャラいけど、実は過去の憧れから今の一成になっているので泣けるよね。

 

兵頭十座

ゲーム始める前は万里との性格の違いがわからなかった。失敬。テンプレヤンキーに見えるけど、不器用で真っ直ぐでお芝居への熱が誰よりも熱くて椋思いでカントクのこと守ってくれて…って十座めちゃくちゃ良いヤツじゃん!?夜遅くまで自主練してるところも努力家で好き。万里と一緒に左京さんに叱られるシーンはしめしめと思いながら堪能してる。

 

古市左京

そもそも、玲さんの性格自体が左京さんじゃないですか?面倒見良いし、不器用だけど優しいしカントクのこと子供扱いしてるのたまらない。

 

泉田莇

左京と対等な関係で喧嘩できるのすごい……(何回り下だ…)?ポンパ可愛い、実は素直。臣に「……どう接していいかわからない…」って戸惑うの可愛すぎる。

 

御影密

眠いねぇ。マシュマロ食べるねぇ。植ちゃんとどこか雰囲気が似てる。

 

番外編Ⅱ~今回の冬単~

数ヶ月前から姐さん拝みに行こうとは思ってたんだけど、絶対に行こうと決意したきっかけがまっきーの降板キンプリの脱退騒動と同日に発表されて本当に腰抜け(かけ)た。まっきーの月岡紬めちゃくちゃ好きだったのに…。キャス変って辛いよね。個人的に思い入れの強いヒプステはほとんどのディビジョンがキャス変してるのでだいぶ流動的だけど。新しくキャラクターを務める方の責任本当に重いんだろうな…って特に感じたのは安井乱数。せこちゃんがハマり役だっただけに、もちろんアンチもあったりして。でも2.5って見た目が全ての世界じゃないからさ。実際に動いて喋ることで「ああ本物だ」ってなるから。だからどうか新しい紬の役者さんが早くカンパニーに馴染めますように。ってことで最初で最後の荒牧紬を観たくて行くことにした。高3の3学期とかないも同然なのでいつだって行けるぜ。なんだかド新規が大千秋楽に入るのは申し訳ないので、せめて凱旋前の東京楽とかに行こうかなって考えてる。ああでも凱旋演出も見たいしなーーー。とまあこんな感じで、贅沢な悩みに頭抱えてる新参者の近況報告でした。

 

品川駅から銀河劇場へ行く

 

銀河劇場の最寄りは天王洲アイル駅…ええそれは知ってます(銀劇以外で利用したことないけど)。けれどもその日は快晴且つ涼しかったので、品川で降りて徒歩で向かうことにしてみた。

 

Ⅰ 行きのルート(複雑)

色んなところをジグザグするけど、景色を楽しみたいならこっちがオススメ。

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①方向音痴でなければ、地図通り歩けば、テレ東のスタジオが見えてくるハズ。このルートで一番迷うのはここに着くまで。近道しようとして品川グランドセントラルタワー周辺を突っ切ったら迷子になるなるので注意。なるべく大きい道を進んだ方が確実かな。

 

↓楽水橋〜天王洲橋信号間にある橋(地図見て「海ばっかじゃん…どこ歩けばいいんだよ」って思ったそこのアナタ。車道があればたいていの場合歩道もあるので安心して)

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↓テレ東のスタジオ。ここを左折してね
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②テレ東のスタジオを左折したら、まぁまぁ大きい橋を渡って前方に見えてくるであろう高速道路目指してまっすぐ進む。

 

↓まぁまぁ大きい橋から見える景色

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③大きな交差点に辿り着いたら左折。

 

④あとはまっすぐ歩けば銀河劇場の看板が見えてくるよ。

 

↓この緑のツタアーチが見えたら、その中にある建物に進む(銀劇の他にセブンとかマツキヨなどもあるよ)

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Ⅱ 帰りのルート(簡単)

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明らかにこっちのルートの方がラク。大通りに沿って歩いてればそのうち着くハズ(信号にだけは注意。信号は曲がる合図)。

 

申し訳ない、暗かったこともあってこっちのルートはほとんど写真撮ってなかった。

 

↓天王洲ファーストタワー付近の橋から見える景色。夜景めちゃくちゃ綺麗
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まぁ総括すると、品川は大都会なので、道に沿って歩けばそのうち辿り着く。

 

そしてソワレに入る人へ、夜の銀劇は本当に美しいので、劇場近辺の景色や雰囲気も楽しんでほしい。

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音楽劇「まほろばかなた」観劇記録

 

音楽劇「まほろばかなた」11月6日大千秋楽公演を観劇してきました。

 

音楽劇「まほろばかなた」

@天王洲銀河劇場

 

(予定上演時間 3時間5分)

開場 13:00

1幕 14:00〜15:18

休憩15分

2幕 15:33〜

終演 17:14

 

 

 

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①あらすじ

【1幕】

おもしろき こともなき世を おもしろく

 

声が大きくて男まさりなお雅。そんな彼女に晋作との縁談話が持ち上がる。しかし、お雅は文やすみ子にたしなめられようが嫁ぐつもりはないと一点張り。

 

そんなある日、お雅は三味線をのんきに弾いている男と出会う。「まさかあんたが晋作ってやつじゃないわよね?」と男に確認し、男も「違うよ」と流しているが…そう彼こそが長州藩の若悪童・高杉晋作だったのだ。「長州藩にはまともなやつがいない」と嘆くお雅だったが、これまで一度たりとも褒めてもらえなかった声を「大きな声だ。新しい場所がよく似合う」と彼に言われ、戸惑うお雅。

 

すると、晋作のもとに焦った様子の藩士たちがやってきた。港に軍艦が2隻もやってきてるという。しかし、晋作は「大丈夫なんとかなるさ」とかなり余裕な様子。そこで桂が「まさか…喧嘩を売ったんじゃないだろうな」と何度か尋ねたところ、晋作はこう答えた。

 

「かったさ」

 

一瞬の沈黙の後「かったってどういうことだよ!?」と慌てふためく一同だったが、その”かった”とは、“喧嘩”を買ったのではなくて“軍艦“を買ったと言うのだ。それはそれで焦るのも当然…藩は財政難。そんな経済状態を無視して晋作は2万両(現在でいう44億円)で軍艦2隻を購入したのである。しかも支出もとを藩にしておいて。幕府にまた目をつけられてしまう...と思ったところに、幕府の犬・勝海舟が登場。勝に購入した目的は何だ、と聞かれた晋作は率直に「倒幕!」。桂は「晋作ぅぅぅぅーーーーー!!!!!」と激怒するが、晋作は倒幕にこれらの軍艦を使用するつもりはなかった。本来の目的は…

 

晋作「あなた(勝)に会えると思ったんです」

 

勝は長州藩の敵でもあるが、同時に藩のトップ・松陰先生と同じ象山の塾で学んでいた同志でもあったのだ。勝と国を変えることを切望していた松陰は、宴の場を作ってくれた晋作に「ありがとう」と述べた。

 

松陰「男に二言はない。最後にの酒を飲もうじゃないか。今夜は宴だ!」

 

(この後、軍艦はどうするのかという話になった際、バカにされながらも春輔が外国人と交渉してなんとかOKに。さらに幕府の遣いが狂介に斬られた事も発覚するのだが、それは凄腕の医師・蔵六が以前より元気な状態に治してくれたので結果オーライで無事に収まる)

 

こうして勝をなだめて事は収束したかと思った…ところに、宴の途中に桂が青ざめた表情でやってくる。

 

桂「…晋作には絶対に言うな…。松陰先生が…監獄された。おそらく処刑されるだろう…」

 

その話をどこからか聞いた晋作は「戦ってのはな1人でいくもんだ」と言い残して松陰のもとへ向かう。その後を追いかける藩士たち。

狂介「斬っていいのか?」
桂「おう存分に斬れ!晋作に道を開けるんだ!!!」

 

松陰のもとへ無事にたどり着いた晋作は、文への遺言を聞いて使命を果たしたが、松陰は安政の大獄で処刑されてしまう。

 

晋作「(松蔭先生は)春風のような人でした」

 

落ち込んでいると思われた松陰の妹・文は、「凛と生きます!」と前を見つめていた。

 

しかし、この直後晋作がひどい咳払いをして倒れてしまう。

お雅「まだくじを引いてないって言うのに!」

 

【2幕】

 

松陰の死から4年後ー1863年ー、長州藩の男たちは“まほろば”を目指すべく、それぞれが自分の責務を全うしていた。

 

勝「…月日は人を変えるものだな」

 

晋作は上海に旅していたり(国内にいて喧嘩しないようにという桂の腹積もり)、蔵六は医者だけでなく学者として活動するようになったり、春輔はエゲレス(英国)に学びに行ったり…

狂介も、「俺バカだから。春輔とかに助けを求められた際いつでも役立てるように」と文字を習い始める。「バカなところがお前の魅力なんじゃないか」と蔵六はたしなめるが、狂介は懸命に勉学に励む。

 

各々忙しくしていた彼らだったが、春輔が帰国した際などにはみんなで集まって宴を開いていた。自身の不倫によってすみ子と離婚したことをいじられ拗ねる春輔だったり、「元気だったかー!?」と声を掛け合う若き藩士の姿は、離れていてもどこかで繋がっている彼らの関係性をよく表していた。「晋作が眠っている間は長州藩も眠っている」と言われるほど藩には平和な時間が流れていた。

 

しかし…「親しい者だけを連れて京の町を去れ」と突如幾松に言う桂。松陰の死後、長州の頭として藩を統括してきた彼は抱えきれなくなった責任から、京都を焼き討ちにした。その結果、彼は牢獄に入れられてしまう。

 

その状況を知って桂に会いに行く晋作。そこで彼は奇兵隊を結成した。

 

晋作「蔵六が言うには、この世には“平等”って言葉があるんだってさ。男も女も、身分も関係ないってことだよ。男だって家を守れば良い、女だって戦いたければ戦えば良い。戦いたい者が集まった、そんな兵を作りたい」

 

まほろばは彼方にあるんじゃない。今この場所だ」

 

目論んだのは、桂をトップにして第2次長州征討に立ち向かうこと。相手の兵は15万、対して長州藩はどんなに兵をかき集めても4000といったところだ。徹底抗戦か降伏かーー桂は「負けが見えている戦に出ることは反対だ…しかし、それはあくまで俺の考えだ。あとはお前(晋作)に託す。好きなようにしろ」と言われ、くじで決めることに。結果は5人とも(晋作の分はお雅が引く)「徹底抗戦」彼らは分担割りをしてそれぞれの地に向かった(と言ってもこのくじは全部徹底抗戦しか含まれていなかった晋作によるインチキだったのである)

春輔「俺は…!?」

晋作「お前には国を託すよ。お前が新しい国を作るんだ」

 

春輔「俺国を率いるよ。恥じない国を作る自信あるんだ」

 

病が進行して、立っていることがやっとのほどである晋作。それでもお雅は彼を止めなかった。「だって彼が(病気のことを)何も言わないんだもの。言えるはずがないじゃない」と。

 

晋作「お前と出会えて俺も当たりだ」

 

「負けないでーーーーーー!!!!!」と叫ぶ妻の頭を晋作は両手で包んで「大きな声だ」と微笑み戦地へと向かった。「…嫁ぐってのは案外いいもんだねぇ…」とお雅は泣いていた。

 

桂「俺たちは晋作がもう長くはないことを知っていた」
蔵六「誰も疑っていなかった。こいつとまほろばを目指すことを」

 

同じ頃春輔は、再びかつての愛妻・すみ子に惚れ直していた。

春輔「この戦が終わったら俺と…!」

すみ子「お断りします」

春輔「死んでもいいやーーーー!」

 

そして桂は責任を取って自害しようとする…が刃を首に当てたところに幾松が現れる。

幾松「何してるんだ!?」

桂「俺が久坂も吉田も無駄死にさせたんだ…!」

幾松「今のあんたが責任を取って死んだところで、事態は何も変わらないよ!!じゃあ私がみっともなく死なせてやろうか!?」

と言いながらも、「私があんたが生きていたことを証明するから!」と言ってくれたことで、桂の中で何かが吹っ切れた。

 

桂「もしまほろばの先にお前がいたらどうする?俺はまほろばの先でお前を迎える」

 

海上では晋作が勝率いる幕府軍と対峙していた。「お前ももうここまでだな。どうせ死ぬなら俺がかっこよく死なせてやる」と言ってピストルを撃つが、同時に彼はひどく咳き込んで倒れる。その直後に勝がこう言った。

 

「…幕府から撤退命令が出た。お前らの勝ちだ」

 

彼はまほろばにたどり着いた。そして幸せそうに満足そうに空を見上げて、おうのの腕の中で永遠の眠りにつく。

「苦しいって言葉だけはよそうぜ。せめて俺とお前だけは笑っていよう」

まほろばは見えたのか!?」

おうの「ええ」

「ヒントは!?」

 

おもしろき こともなき世を おもしろく 

住みなすものは 心なりけり

 

②考察

まほろばの正体とは

 

作品名にも含まれる「まほろば」。言葉自体は「素晴らしいところ」という意味だが、劇中では複数の定義が出てきた。目指す場所、夜明け、この場所、今見えるこの景色…しかしどれも曖昧でいまいちピンとこない。

 

そこで私はまほろばを「夢」だと捉えることにした。一人一人好きなことややりたいことが違うように、夢も一人一人異なる。その数だってそれぞれ違う。彼らは激震的な時代の中で、自分の目標を見つけそれに向かって走り続けた。まほろばは無限だーー「志して会えるならもうあいつらはいる」と勝さんが言うように。

 

しかし、まほろばは達成すれば終わりなのではない。あくまで通過点に過ぎず、永遠に答えのない問いだからこそ達成したか否かさえわからないけど、それを目指す過程が素敵だなと思った。

 

まほろばといえばもう一つ。冒頭の劇中歌に「(晋作)どうかな一度一緒に歩いてみないか 君の名前は太陽と同じだから」という歌詞がある。私はここにおける「君」とはまほろばを指しているのなぁと考えている。「まほろば」も「太陽」も周りを照らし手の届かない抽象的な存在。そんなまほろばに「一度一緒に歩いてみないか」と語りかける行為は、神頼みだけど手を伸ばそうとする晋作の強い気持ちが表れている。「お雅」だと捉えることもできるけど、冒頭でまだ早い気がするのでこの解釈は難しい。

 

最期の大喧嘩~第2次長州征討へ~

 

歴史モノだから死は避けて通れないとしても、やはり最期が見えてしまう物語は辛い。今回は思っていたよりはそういうシーンはなかったが、元気で明るくはつらつとしていた晋作が船上で亡くなってしまう場面は苦しかった。だから、考えれば考えるほど第2次長州征討が始まる際の「晋作の最期の大喧嘩の開幕だ」という蔵六のセリフが儚すぎて。くじで徹底抗戦が決まって藩士たちが「行くぞー!」って拳を上げた時と、晋作が春輔に未来を託したシーンは号泣した。

 

とは言いつつも、全部が全部真面目な話で構成されているわけではない。西田イズムが多量に含まれているので、アドリブも多かった(のでもちろん公演時間は延びる)。勝さんなんてアドリブに走りすぎたシーンで「よし!!!戻すぞ!!!」って言ってた。DisGOOnieの洋二郎さんポジ。

 

作品の中で一番笑ったのは、狂介が文字を習い始めた時の蔵六とのやり取り。「シ」と「ツ」の斜め棒の違いがわからない狂介。

狂介「じゃあ点をなくせばいいんだ!」

蔵六「それはノだ」

狂介「ああーーーわかんねぇ!、どうやって見分けるんだよ!?」

蔵六「「じゃあやめればいい。お前はバカなところが魅力なんじゃないか」

狂介「でも春輔とかに助け求められた時、いつでも役に立てるように」

「気合」などと書いてあるハチマキを何枚も重ねてやる気満々な狂介。

 

オテテをオチチって書いたり。

蔵六「それはエロい」

狂介「それはわざと!」

 

狂介に顔を近付けられて(額間の距離ほぼ皆無)

蔵六「近い!!ほのかにミントの香りがする!」

 

高杉晋作

軍艦や戦を“男のロマン”と称し、自由気ままにやりたいことをやってる。ように見えるけど、実は先を見据えて行動できる、頭のキレる有力藩士。肺結核により27歳という若さで夭逝してしまうが、短い生涯の中で色々なことを成し遂げた偉人。結核って昭和初期までは不治の病として知られていたらしく……終わりが見えていても力強く生き続けた晋作に感動した。「戦ってのはな勝ちが見えてちゃつまらねぇんだ」はかっこよかったな…男の中の男だった。熱い。

 

大村蔵六

後の大村益次郎(2幕の進行最中に「蔵六」と呼ばれた際には「蔵六じゃない、益次郎に改名したんだ」と言っている)。冒頭では、幕府軍の遣いを斬った勲章としてできた狂介の両膝の傷を治してあげてた(狂介が桂とのやり取りで暴れた際には黙ってついていき、押し倒して治療したり)。薬箱片手で敵陣を倒してく蔵六がスマートでかっこよすぎる(そもそも歴史モノなのにそこまで走らない蔵六)。個人的には春輔との絡みが好きだった。松陰と勝の話を盗み聞きしようとして障子に穴を開けて覗く狂介と春輔の頭を叩いたり(落ち着きのない狂介にツッコむ蔵六…良いコンビ)作品では他の藩士と比べて他者との関係性があまりクローズアップされてなかったため、いまいち人となりを掴みにくい…が、彼は彼で色々ありそう。蔵六主人公のサイドストーリー作ってほしい。

 

ちなみに蔵六の死後、彼の軍事構想は狂介が引き継ぐんですよ……たくさん面倒みてもらってたからね、しっかり狂介は恩返ししてるの……(涙腺崩壊)

 

山縣狂介

後の山縣有朋。さらしの柄は戦でつけた血飛沫をイメージしているのかなぁ。ケンカっ早くて大雑把で、本人も「俺頭無いからわぁらないけどよぉ!」って卑下してるけど、実は真っ直ぐで夢への努力を惜しまない人。習った字で密かに惚れていた文へ手紙を書く。文に「その手紙誰に?」と聞かれると、照れたのか「お前じゃねぇよ」とその場に手紙を投げるが、後に彼女が「あれ私宛だったのね…嬉しいわありがとう」と言うシーンがある(届いて良かったな、狂介)。

 

この時代から50年後、まさか長州藩が国を動かしているとは誰が想像しただろうね…藩閥政治で政治を私物化とか色々言われたけど、狂介は暗殺された春輔の分まで国を背負ったんだよ…なんだこの泣ける話……

 

伊藤春輔

後の伊藤博文。すみちゃんが本当に大好きで、色んな女性に惚れても最終的に彼女のところに戻ってくる。お雅にコーヒー(イギリスのお土産)など渡して猛アピールするもフラれた際には、すみ子に駆け寄って膝枕してもらってた。

すみ子「(春輔は)惚れやすいけどすぐフラれるの」

離婚後、下関で芸妓を選べと晋作に促され、「俺はもう遊ばないの!初心に帰るって決めたの!」(必死)

軍艦に関して外国人と交渉する時など、異国人に嘲笑されていたがなんだかんだ仲良くなったり、常にとりまきがいたりなど周囲に愛される存在+しょっちゅう話を遮られたり4人がかりで袖に運ばれるなどイジられやすい一面もある(最年少だからかな)。戦う時、一人だけピストル併用してたのさすが世界の伊藤さん。

誰かが「案外これからの時代を担うのはお前(春輔)みたいなやつなのかもしれないな」と言っていて…私たちは伊藤博文の偉業を知ってるから胸にくるものがある。

 

桂小五郎

後の木戸孝允。松陰亡き後は、長州藩を総括するようになるが…藩士の犯した罪は自分が監督不足だったからだと、真面目なあまり彼は自分を責めすぎた。みんなのことを大事に思ってやりたいことを自由にやらせているくせに、そこで発生した悪い出来事は全部請け負ってしまう。一人で抱え込まないでよ。周囲を頼っていたのかもしれないけど、というより特に戦の面においては晋作を頼りにしていたけど、そうじゃなくて常日頃から些細な出来事を心配事をもっと周りに漏らして欲しかった。そうすれば自害するまで追い詰められることは防げたのかもしれないし。彼の中で糸が切れたんだろうね、あそこで幾松が見つけてくれなければ彼は死んでたし長州藩も潰されていたと思う。どうかまほろばの先で、幾松と結ばれる日が来ますように。

 

個人的に、そんな彼の荷が少し降りるのは狂介の面倒を見ているときかなと思ってる。長州藩の保護者的存在だけど、特にケンカっ早い晋作や狂介に対しては手をかけてる。

狂介「かつらーー!!!」
桂「カツラじゃねぇよカ(↑)ツラだよ!どうみたってふさふさだろぉぉ!!」

このやり取り本当に好き。

 

勝海舟

幕府に支えている身だから、上の言いなりに従うしかないけど、実は長州藩の肩を持っていた面もあったような気がする。春輔からイギリス土産でもらったピストルをありがたく頂戴するも、「俺には使いこなせねぇな」って言ってたり、松陰とバカ笑いしながら杯を交わしていたり。

 

吉田松陰

藩士から慕われている長州藩のトップ。人生のテンポ感が晋作と近い。1幕終盤で処刑されてしまうけど、2幕で晋作が弱っているときに話しかける。最初はこのシーンに意味を感じていなかったけど、よくよく考えてみると松陰と話して、この世こそがまほろばだとわかったから晋作は振り切れたのかなと思う。松陰はいつまでも長州藩の鑑であり続けた。

 

お雅

くじの結果晋作に嫁ぐことになったが(実話らしい。晋作の袖にしまってあった彼のくじを入れたか確認するところをみるとお雅はこの時既に惚れていたのではと考えられる)、結婚してからは男勝りだった性格が落ち着く。月日を重ねるにつれ、晋作の妻でいることに生きがいを感じるようになると共に、文やすみ子と同様逞しくなる。逞しいっていうのは生き方ももちろんあるけど、考え方のこと。夫の病を嘆くんじゃなくて夫のまほろばを応援する姿には、晋作のことを信じて前を向いている心持ちが強く表れている。おうのにでさえ「晋作をよろしくね」とか「ありがとう」って言えるお雅は本当に強い女性だった。

 

すみ子

春輔の奥さん…だったが、彼の不倫によって2幕では離婚してしまう。きっと心の中では好きだったはずなのに、どうして振ってしまったんだろう…って考えたときに、春輔を自由にしてあげたかったからなのかなぁって。だとしたら彼女もなんて強い女性なんだろう(西田作品の女性はみんな麗しくて強いのよ)。誰よりも春輔のことを理解していて、彼のとるであろう行動、言動は全てお見通し。「最後は人柄なのよ」と厚い信頼を寄せている。

 

お雅や幾松が強くあれたのは、文の背中を見てきたからかなと思う。彼女は兄・松陰を失った際にも前を向いて歩き続けた。そんな彼女に感化されて他の長州藩の女性も夫のまのろばを応援する。彼女がいなかったら女性たちがここまで強くいられることもなかったのかもしれない。

 

おうの

晋作の正妻はお雅なんだけど、彼の最期を看取ったのはおうの…正直ここは「なんで?」って思ってしまった。最期はお雅のもとにいて欲しかったな…。考えてみれば、「第2次長州征討が終わったら旅に出る」と最初に伝えたのもおうの、これは不倫している…?

 

幾松

下関の芸妓。会う回数を重ねるうちに小五郎と良い関係になり、重要な決断の際には彼の背中を押してくれる。史実を調べてみると、彼女は小五郎と結婚したことがわかった。小五郎さん約束を果たして迎えに行ったんだ…なんてロマンチック……

 

史実モノは特に、観劇する前にある程度予習していくんだけど、今回は幕末ということもあって、調べてるだけで涙ぐんでしまった…実は前回の学校のテスト範囲がちょうど幕末〜明治で、いやぁもっと真面目に勉強しとけばよかったなと既に後悔。それと、みんな改名しすぎて最初誰かわからなかった。しまいには「伊藤」って聞いて「かの博文…?」って思ったら本当にそうだった。

 

ざっと相関図なんかも書いてて。まほろば瓦版を知る前だったから大雑把だけど(アナログ人間なので手書き)…亡くなった年とか死因まで調べてると切なくて切なくて。なんで日本を変えようとしてくれていた偉人たちが殺されなくちゃいけないんだよ…って思ってしまう(歴史は繰り返す)。

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そして観劇した後にもう一度書いてみると全く別の相関図ができた。思っていたより松陰先生と桂の存在が大きくて。

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③カテコ

1回目

阪本 糸川 和合

阪本「3時間長いなーとか延びちゃわないかなとか(続く)」と言って遠回しに西田さんイジリ(西田さんの戯曲の長さは有名)

 

2回目

スタンディング

「とても嬉しいんですけど」連発後、「配信のカメラが見えなくなるので座ってもらってもいいですか」と申し訳なさそうに笑う奨悟くん。

 

3回目

規制退場アナウンス後、袖から「うぇーい!」って声が聞こえてくる→会場笑いながら拍手

 

④演出

西田さんの照明は儚くてカラフルな印象があったのだが、今回は儚さよりも派手さ(色合いとか動きとか)の方が目立った。特に照明の形はDisGOOnieではなかなか見られない三角や丸など色々あって面白かった。色合いが好きだったのは、1幕終わりで晋作が咳き込んで血反吐を吐くシーン。周りは白青(海)だけど晋作の周りだけ赤い照明が当てられて生々しかった。急に血吐いて倒れたもんだから、死んだのかと思ったドキドキさせられた…次が気になる、良い1幕の終わり方。

 

全体の構成はDisGOOnieとほぼ同じ(前置き→OP→1幕→2幕)。OPの曲がめちゃくちゃ良い。この歌はOPで唯一歌詞が乗るんだけど、あの力強いサウンドに歌声が入るとベクトル爆上がり。春輔とすみ子の「♪いつかーいつかー歩きたい」のユニゾンには涙を誘われる。また、ヒグラシの鳴き声が開演の合図なのはとても良かった。夏の終わりの、切ない感覚が呼び起こされる。

 

個人的に、西田作品の迫力って大道具の移動にあると思っていて。まあまあ大きいキャパの劇場だと大道具を移動する演出が多いんだけど、それが華やかで美しい。別作品ですが、大道具でおススメしたいのはMOTHER LAND。明治座の大きな板上で何メートルもある階段が彼方此方に動くのは観劇オタにはたまらない。

 

物語は、勝(2幕途中から蔵六に変わる)とおうのの進行によって進められる。過去の出来事を、真実を知る彼らと共に遡る感じ。

蔵六「ここからは俺の方が詳しいだろう」

勝「あとは頼んだよ」

 

2幕終盤で襖の下の赤緑部分が剥がれて捌けるところまで見えるようになったのにはどんな意味があるんだろう……

 

⑤劇場

入口は狭いから忙しないけど、ロビーは2,3階にもなると落ち着いていて心地良い。赤いカーペットとか座席の高級感が劇場感を醸し出している。椅子は硬め、でも背もたれは高さがあるから長時間座っていても疲れない。劇場内は木目の床に丸い造りでアットホームな雰囲気。強いて言うなら、3階は手すりと前の人の頭で舞台上が見えない。今回は肝心のセンターが遮られていたので残念だったな…でもまぁ作品が良かったので結果オーライ。

アクセスも天王洲アイル駅からすぐだし、品川駅から徒歩で30分くらいなのでまぁ良し。夜の劇場周辺はライトアップされていて本当に綺麗。隣にはセブンやカフェが隣接してあって便利だし。総括: 劇場感ある劇場で良き。

 

⑥観劇動機

なんたって西田さんの戯曲・演出。もとから歴史モノの作品が好きだけど、西田さんの描く群像劇が大好き。

 

「人間の心を描く物語を作っていくために、何か一つの大きなモチーフとなる事件を調べていくと、ものすごく面白いんです。いわゆる歴史年表だと淡々と出来事が綴られていくだけなのですが、その行間には絶対に語られていない歴史や言葉があるんじゃないかと想像します」

 

以前雑誌のインタビューで西田さんがこんなことをおっしゃっていて。これを読んで以来、この史実の裏側ではどんなことが起こっていたのかなと想像したり、西田さんだったらこの出来事をどう捉えるんだろうなって考えるのが楽しくて。ひとつの見解を知りたくて、気付いたら劇場にいた。他にも和合ちゃんや耀士郎くんがキャスティングされてたり、久しぶりに銀劇行きたいなー(実に27ぶり)って思ったのもあるんだけどね。

 

 

⑦出演者の印象

奨悟くん

初見: 刀ミュの堀川国広

まほろばの上演が発表され「和合ちゃん出てるし西田さんの作品だし銀劇だから行こ」と観劇を決めた際、「主演の阪本奨悟くん…名前は聞いたことあるな…(Yahooで検索)ああミュの堀川国広ね!写真は見たことある」って思ったのがはじまり。そしてwikiを拝見したら、経歴が豪華で思わず腰が抜けそうになった…福山さんプロデュースって何事。しかも子役の頃から活動していてなかなかのベテラン。今年のワーステ出てたんだね(だから耳馴染みあったのか)。事前にYouTubeで少し歌を聴いてみたんだけど、なんて澄んだ歌声をしている方なんだろう。生で聞いてみると、セリフも歌声もすごい聞き取りやすかったありがたい。そして奨悟くんの存在そのものが儚い…白すぎる骨格細すぎる…白の茶葉織に包まれたら消えてしまいそうだよ…夭逝する晋作はまさにハマり役だった。あと意外と身長低くてびっくりした。てっきり175くらいあるのかと(可愛い)

 

耀士郎くん

初見:刀ミュ

申し訳ない…初見を覚えていないんだけど、パライソの時は既に認知していた…と思う。とりあえず1月のヒプtrack5で安井くん顕嵐ちゃんと共演することが発表された際(2021年10月)喜んだのは記憶にある。1ヶ月前にたまたま耀士郎くんの2.5次元ナビを見て「美容師出身かーー道理でイケてるわけだわ」っていうのと、きたむーと彫りの深さが似ているなという印象を抱いた。そしてアクターズリーグinバスケでの活躍ぶり。役柄なのか本人のクセなのかはわからないけど、めちゃくちゃガニ股で歩くので男臭さを感じる。奨悟くんとはまた異なるよく通る声が舞台に合うなーと思った。やはり歌が上手い。

 

和合ちゃん

初見: 松ステ

実は今回がはじめましてわごちゃんだった。いやいやイケボすぎる。思ってたより声低いし、クールな役も相まって一番かっこよかった。静止画でももちろん綺麗だけど(特に横顔が好き)、和合ちゃんは動いて喋ってる方が絶対良い。ツイッターの140字や4枚の画像だけじゃ伝えきれない魅力いっぱいあるから。私自身が松ステやまほステの彼しか知らないからだけど、今回の座組と並ぶとこれまた大きくてびっくりする(F6はみんな180超えだし北の国には太陽くんや太郎くんがいるしね…個人的にはミチルの世話焼くフィガロ先生がめちゃくちゃ大好きなんですけど…この話は長くなりそうなのでやめておく)とりあえず最高だった蔵六。

 

廣野くん

初見: タンブリング

3月のアクステぶり。自担ってわけではないんだけど、彼の出演する作品はなぜだか観劇することが多い。今回も殺陣の中でアクロ華麗にきめててさすがだった。廣野くんといえば、今年の顕嵐ちゃんの誕生日生配信に深夜ながら出演してくれたり曲を一緒に作ってくれたり別日にはご飯食べに行ったり、はたまた6月のながつのインライでコラボしてくれたりなどなにかと7ORDERと仲良くしてくれて嬉しい。アクリ野球の節に関しては本当にお世話になりました(人見知り顕嵐ちゃんの側にずっといてくれてありがとう)。これからもご縁が続きそうな予感。

 

松田凌くん

初見: ID

廣野くんに負けないくらい、観劇する作品に出演していることが多い俳優さん。今回も漆黒天に続いてですね。まほろばで改めて感じたけど、彼は狂気的な役がよく似合う。普段は落ち着いてる方なのにスイッチ入ると一変する姿は役者の鑑。

 

根本さん

初見: まほろばかなた

モリステ、文ステ、ワーステ、ガネオペ…結構有名どころ出てた。今回初めて存じ上げたんだけど、どこか谷口賢志さん味があるイケおじ。ランダムのブロマイドでめちゃくちゃかっこいい勝さん引いたことはこれから自慢してく予定。

 

富田麻帆さん

初見: シデレウス

お名前聞いたことあると思ったら、カシオペア回のマリアだ!!!この公演は配信で見ていたので…演技からもわかるように、とてもしっかりしている女優さんですよね。シデレウスのLINE LIVE見たときはあまりにも場を回していてびっくりした(すごい)。麻帆さん以外のお雅は考えられないって思うほど彼女もハマり役だった。

 

p.s.

毎公演毎公演まほろばくじ(グッズ)が完売してて、「なんでだろう…4000円のための数合わせかな…」(4000円を超えると非売品グッズがついてくる)なんて浅はかな思考回路だった数日前の自分へ。劇観ればくじの意味がわかるよ。いつだって大事なときはくじが運命を左右したのさ…それでも君は安さで売れ行きがいいと言うのかい?