虚構の劇団 解散公演「日本人のへそ」
観劇日 12月9日 夜
開場 18:00
1幕 18:30~20:12
休憩 15分
2幕 20:28~21:11
終演 21:13(トリプルカテコ)
あらすじ
吃音症を研究するアメリカの大学教授が東大に一時戻ってきて、患者数十名を対象として吃音症の治療として、浅草のストリッパーの半生をもとにした演劇を上演する。
1幕は先生が刺されるシーンで幕を閉じ、2幕はその犯人捜しをするところから物語が始まる。最終的には吃音症は完治とまではいかなかったが、少し緩和されつつあるという話。
劇場(芸劇シアターウエスト)
芸劇は建物全体として時間の流れがゆっくりで、座れる場所も多くて好き。忙しない今日とは少し分断された世界線。夜の芸劇のライトアップが超綺麗。隣の広場も噴水があったり水色にライトアップされてたりで幻想的だし、芸劇は夜になると顔が変わる。
劇場内のロビーは少し狭め(イスはいっぱいある)だけど、イーストウエスト共同のロビーが広いので全然問題ない。今回は劇場内のロビーで鴻上さんのサイン入り著書だったり、昨日発売された梅ちゃんの『残機1』が販売されていた(既に梅ちゃんは昨日鴻上さんに渡したらしい)。
座席はパイプ椅子に毛が生えた感じだけど、良い意味で安い感じのクッションなので長時間座ってても痛くない(普段座るイスと感覚が近いからかな)。当日券とか学割の座席は多分チケットを取った順。ギリギリに行く方は注意して。とはいっても芸劇はキャパが狭いので最後列でも裸眼で役者さんの表情見えるから、最後列がそこまでハズレだとは思わない。むしろ舞台全体を見渡せるので良いかも。
一番衝撃だったのはトイレ。便座便器全て真っ黒なんですけど!?だから水も黒く見える。外観だけではなくこういう劇場の中まで美的に建築されてるのがなんとも芸劇らしい。座高が低めなので、ちょっと腰つらいかもってくらい。
そうそう、芸劇といえばいつかプレイハウスのツアーにも行きたいんだよね。2023年回求む。
劇団の雰囲気
私は普段商業演劇を観ることが多いため劇団公演は実に昨年の鹿殺しぶりで、色んな発見を得ることができた。
まずは鴻上さんが開場中も終演後もロビーにずっと出てくださっている。スタッフさんと一緒にフライヤー配り始めたりとか、見学しに来た役者の方はもちろん観客の方とも積極的にコミュニケーションを取られていて、会場の雰囲気が温かい理由がわかった。
特に商業演劇の場合だと、ロビーの空気はどこか張りつめていて厳かで、観客層も9割以上が女性って感じで、その環境で育った私にとってはそれが当たり前だと思っていた。しかし、今回劇場に入ってみると歌詞の入った音楽が大音量で流れていて、観客の方は私みたいな学生もいれば男性の方(3~4割くらい)、役者の方、車いすの方、視覚障がい者の方、さらにはおじいちゃんおばあちゃん世代の方もたくさんいらっしゃって、文字通り“幅広い”年代層で溢れていた。座席の横では、初めて会った人同士が「お友達になりましょう」と仲良くなってる。本来、演劇の形ってこうあるべきだよなと思った。性別とか身体とか年代とか関係なしに誰もが楽しめて色んな人に出会える場所。助けが必要な人には手を差し伸べて、不快な思いをすることなく楽しめる空間。だから、虚構の劇団は温かい場所だった。色んな人が出会っているからパーティー会場みたいだと思った。
劇団員の皆さんも体張って、大きく動いて大きな声で喋ってたから迫力満載だった。もっと色んな劇団を観てみたい。
感想
冒頭の「あいうえ王が~」「ハヒフへ法を~」のシーン、あの大人数でそれぞれ違う激しい動きしてるのによく声揃えられるなと感心したのが最初。ここは言葉遊びも面白かった。「吃音は心の距離が遠いほど、自分と関係ないほど症状が軽くなる」といった教養も学べる。
スクリーンを使って、写真や絵、文字で場面設定を提示する演出。セリフ聞かなくてもそれでほとんど理解できるのはありがたい。
歌と衣装替えがめっちゃ多い。私は今ミュージカルを観ているのか?って感じだった。衣装も場面ごとにみるみるうちに変わってくし(今回は虚構の中で最も衣装数が多かったらしい)。
昔の戯曲だからなのか、かなりお下な内容が多い。
ex.1幕 浅草のシーン(ターゲット:ウメツ)
1回目 相手の人のが親指挟んでくれたうえでのキス→めっちゃつば吐くフリ
2回目 梅ちゃんが相手の人の乳首をくりくりする
3回目 相手の人がキスしてくる(直に)→めっちゃ苦笑する梅ちゃん
ex.2幕 みんなレズゲイですと暴かれる直前のシーン
相手の男性の足に自分の左足を絡めて、おしりとか足のきわどいところなぞられる梅ちゃん。
ストーリーは順調に進んでくんだけど、その中の自由度が高すぎてアドリブは多いし終始喜劇って感じだった。観客の方も慣れているのか笑いっぱなし。
ex. 1幕 殺陣の稽古のシーン(首や頭刺すくだり何回もしてたところ)
「この劇団いつ入った?」
梅「2015年です」
「俺はな、2007年なんだよ」
マウント取られてる梅ちゃん。
師匠に、今日のアドリブの出来は何点だと聞かれて
相手の方「60点」
ex. 1幕ラスト ヤクザのシーン(梅ちゃんが弟子入りしてもらおうとする)
舞台上の少しある段差から大袈裟に高いジャンプして飛び降りたり、段上に上がってからは背中でコロコロ転がる梅ちゃん(そりゃ腰も痛くなるわけだ)。
ex. 2幕大好きな先生をのぞき見していてさっさと帰れと言われてはけるシーン
梅「どたどた、きゃーー!!どたどた、きゃーー!どたどた、きゃーー!どたどた、どひゃー!!!」
withひょうきんすぎる動き
出演者の印象
ごめんなさい、今回は梅ちゃんだけ💦
梅津瑞樹さん
初見:キルミーアゲイン2021
馴れ初めとかの話は、これまでの観劇記録(キルミーアゲイン、漆黒天等)に書いてあるのでここでは割愛。ただひとつ言えるのは、梅ちゃんはいつも私に新しい演劇を教えてくれる。この日は30歳2日目の舞台。観劇前日12月8日に誕生日スペースでお父様をお呼びしていたという前代未聞的な配信をしていたということもあり、改めて「彼普通の人間じゃない」と感じた翌日に変人ウメツミズキにまみゆ。ハイライトは、2幕で舞台中心に置いてあった壁からひょっこりはんして綺麗なお顔を覗かせていた姿と、はけ際に超前かがみで顎出してにこーって営業スマイルしながら走り去ってく姿。そういやトリプルカテコのはけ際で柱に当たりそうになったときもにこーってして消えてったな…。
今回初めてホームにいる梅ちゃんを見てわかったこと。梅ちゃんのすっとんきょうなバラエティー力は間違いなくここで培われてる。劇団員の方たちは良い意味で変な動きしてる方ばっかなので、あの中にいても梅ちゃんが浮かない。すごい。
p.s.
誕生日スペースがアーカイブに残っていないそうなので、ざっとしたレポをここにまとめておきます。
2022年12月8日 22:30~ 梅津瑞樹スペース(ゲスト 本物のパパ)
【パパと瑞樹(たまにママ)】
父「たかしの父じゃなくてリアルの父です」
父「10年くらいはなんとか面倒みようと。それでダメなときは何か考えればいいじゃないか」
東西線で学校と会社に行ってた梅津親子。飯田橋のスタバの横で別れた後
梅「俺絶対サラリーマンできない」
喋り方が似てると指摘され、首をかしげる2人。
父「(幼少期の瑞樹は)イタズラっ子、素直で良い子、あんま手のかからない良い子、反抗期は本当に記憶にない」
父「ファンの皆様のおかげでございます」
梅「役者のスペースで一般人の父親呼ぶなんてなかなかないじゃん」
梅「だって一人寂しいじゃん。いや寂しくはないけど(笑)、なんかさ」
かつて入院して鼻に管を通した経験があるので、身に染みて健康の大切さがわかるお父様。
梅「皆様を通して親孝行ができているわけでございます」←推しの親孝行に参加するファン6300人。
最近腰が痛い。でもそれは床で寝てるからではなく、舞台上で腰から落ちてるから。
梅「なのでまだまだ床で寝れます」
梅「そもそも床で寝てるっていうの父さんの影響なんだよね」
趣味がキャンプなのは、自前のカヌーを持って愛犬と一緒に父がアウトドアの趣味を植え付けてくれたから。
梅「父さんの本棚から勝手に本読んでたりした」
父とはケンカした記憶ほとんどないけど、5年前くらいに大げんかしたことあった梅津親子。
いただきもののTシャツの柄が原爆モチーフで、梅ちゃんがそれを着ていたらお父さんに「それはやばいぞ?」と言われて外にバっと出て、頭冷やして仲直りした。
中3で京都へ2人旅行した親子。あれが2人きり旅行の最初。
梅「私立だから卒業論文があって、それ書くのに鬼の研究するので京都に連れてってもらった」
また旅行行きたいねーってなって、
梅「わかってほしいんだけど、俺も今なかなか暇がない」
今年はまだ実家帰ってないよねって話。
御年65のお父様。29歳になったばかりの時に結婚。
梅「僕は実家千葉なのでいつでも帰れますけど、親孝行は早めにした方が良いと思いますね」
一寸先は闇みたいな生活を送っていた過去もあって、梅ちゃん本人は焦ってた。
語尾の響きが似てるから口元が似てるんじゃないかという旨のツイートに、
梅「当たってる。口の形は似てる」
梅「僕が生まれたのは…父は35か」
父→息子へ
父「俳優として活躍してほしい。もっともっと君の活躍できるフィールドがあると思うし」
梅「俺は本来作家になりたかったはずなのに、今はこうして役者をやっていた役者を経由して本を出版して」
「瑞樹」の名前の由来
・父「“樹”は僕の名前にもついてる」
・ひいおじいさんが“こうき”なので、その名前にちなんで
・色々漢字を組み合わせた結果、意味が通るのがいい→“みずみずしい木”
・女の子だった場合も使えるし
・女の子だったら母さんの案で“さらさ”だった
梅「切りのいい歳だし、これから芸名さらさに改名してもいいかもしれない(笑)」
梅「小さいときは女の子っぽい名前だと思ってた。他の子はなんとかくんって呼ばれるのに俺だけ瑞樹さんって呼ばれるのが嫌で嫌で仕方なかったけど、今は綺麗な名前ですねって言われることが多くて嬉しい」
父「この子は賢いなって思ってた。相手のこと思いやれるしそういう行動できるし自分よりこの子は優れているなって」
梅「自分よりって笑」
梅「こわ父を超えてこその」「てことは瑞樹ジュニアは僕を超えるってことか」
梅「梅津家がここで途絶える可能性結構あるよ」
梅「まあそれはそれこれはこれ笑」
梅「自分の息子が役者なるって言ったら心配する。こんなにつらくて途方もない仕事ってないと思う。やりたいって言えばやらせるけどやりなよって勧めはしない」
梅「うちの父、品はいい。おひげも生えてるしね」
どっちの方が身長高いですかってツイートに、
梅「僕ですかねそれは。父はそれこそ年齢も年齢だから徐々に縮んでってる」
梅「僕の中の父さんは昔のまま。こうしてみると確かに歳とってるなって感じるけど両親が老けたって感じることはあまりない」
ぽぽぽーんぽぽぽーんってインターホンが鳴る。
梅「あ、ウーバーイーツが来た。父が頼んでおいてくれたんですね」
梅「扉の前に置くにした?」
父「うん」
梅「良かった」
知識は父親譲り。
梅「母は作家というか芸術家で。父もなんですけど」
家に本が大量にある梅津家。紙魚(しみ)って虫がベットに出るくらい本が多かった。
昔は本の蔵があったくらい。祖父母が本を買い与えてくれた。
梅「5700人が聞いてるこんな23時に」
梅「父にも母にも祖父母にも友達にも好き勝手やらせてもらってる。中学の頃に出会った友達にも感謝」
梅「父さんと母さんにはここまで育ててくれてありがとうございますって感謝。まあ好きですよ父も母も友人も皆さんも(照)」
梅「ほんとに丁寧に育ててもらったと思いますよ。」
赤ん坊のときに高い高いして梅ちゃんの頭を天井にぶつけたことがあるパパ。
梅「(ツイッター)やってたとしてもそれ教えるわけにはいかないでしょ」
父「(小声で)アカウントは持ってる」←可愛い
ここでまさかのパパオンリータイム。
梅「お父さん本当に申し訳ないんだけど、一瞬トイレ行ってくるから父さんなんか話してて。上にスワイプしたら読めるから」と言って捌ける梅ちゃん。
真面目に質問に答えるパパ。
父「うーーんなんだろうねぇ…詩集句集であれば万葉集がいいですよ」
父「『東大に行け!』こんな感じなのかな?よくわからない」
梅ちゃん帰還。
梅「何話したの?」
父「いや大したことないよ」
梅ちゃんツイートを読んだのか、
梅「父さん東大じゃないじゃん!」「父は僕みたいなネジがとんでるやつじゃないので本当に頭が良いので。東大と同じくらいの良い大学出てます」
梅「なんで万葉集薦めてるのw」
父「僕万葉集好きだからさ」
梅「万葉集のどういうところがいいの?」
父「当時の人の生の声がダイレクトに~」
お父さん漫画やアニメも好き。
梅「父さん本当にご飯食べて良いよ」
梅「父さんのガチ恋になるってこと!?!?(爆笑)いや、人の好きは人それぞれだから(笑)でも残念ですが僕の父には僕の母という決めた人がいるので」
【パパとママと瑞樹】
梅「僕に似て母は気持ちの強い人(笑)」
梅「母さんが聞いてたら恐ろしいね。父さんと一緒にあとあとめちゃくちゃ叱られる」「母にあまり頭が上がらないというか、母が天下です」「母さんツイッターやってるかなそもそも」
梅「『何もしてないじゃない』母が聞いてる!ありがとうございます。
人生で一番頑張った日ってLINEで言ってくれて嬉しかったです」
【ティティちゃんと瑞樹】
梅「ティティっていうのはうちで飼ってたゴールデンレトリバー(女の子)」
ティティちゃんに耳かじられてた。
梅「甘噛みじゃないよ血が出てたじゃない」
父「賢い犬だけに姉の立場として瑞樹の面倒見てましたね」
父「瑞怒られているいるときは間入って怒らないでみたいな。あの子が賢かったのかな」
梅「泣いてると寄ってきて涙をぺろぺろなめるんですよ。大丈夫?って」
梅「最近犬を飼いたいんですよ 」
犬派な梅ちゃん。
【パパと武子直輝】
俳優仲間の話はごく稀に聞いたりするパパ。
父「そういえば直輝くんとか~」
梅ちゃんの誕生日ツイートに直輝くんがピカチュウの写真を貼っているのを知ってるパパ。
直輝くんきいてるよというコメントに
梅「直輝聞いてるの?なおきー」
父→直輝くんへ
父「いつも瑞樹と付き合ってくれてありがとうございます」
梅「だって、直輝」
梅「俺結婚すんのかな直樹と」
父「父です😊」
最後に、
父「引き続きこの息子のことをよろしくお願いします」