ここなっつぴぃす

紡いだ夢の先へ

舞台「ダブル」観劇記録

 

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舞台「ダブル」

紀伊国屋ホール

観劇日 2023年4月9日(日) 18:00 大千秋楽

(予定上演時間 2時間20分)

開場 17:30 

公演・カテコ 18:00~20:29

 

 

 

~本編~

あらすじ

週刊誌に愛姫とのスクープを撮られてしまった多家良は(実際にはそういう関係ではない)友仁に引っ越しの手伝いをしてもらっていた。そこに劇団の先輩・飯谷さんや芸能人の仲間・九十九、マネージャーの冷田さんもやってきてわいわい過ごす一同。多家良は次々とドラマの仕事が決まっていき順風満帆なはずだった…のだが悲劇は突然やって来る。

 

病名は突発性失声。ストレスや寝不足が原因だというこの病気を彼は患ってしまい、直る見込みや役者でも何者でもない自分を見つめて絶望の淵に佇む。友仁や飯谷の提案で無言劇をやってみるも途中から彼の様子はおかしくなり、芝居が好きなはずなのにそれを拒んでいる自身に気付いてしまった多家良は友仁たちを家から追い出し途方に暮れる。

 

そんなタイミングでやってきたのが愛姫だった。多家良は彼女の温もりを肌で感じ一晩を過ごす(劇ちゅうにここの細かい描写はなし)。

 

幾度となく自分を見つめた結果、多家良は友仁の名前を呼ぶときに声を取り戻すことに成功した。潰れた期間があったからこそオファーが来た舞台-『飛龍伝』-にキャストの九十九、愛姫と奮闘していたところ、九十九の代役で入った友仁の芝居が評価され三人芝居は多家良、友仁、愛姫で上演することになった。

 

その後、多家良は友仁とこたつでゆったりしている時に自分の気持ちを話そうとする。友仁は彼を制し、結局自分はダメなんだとぼやき、ダブルキャストは相手の気持ちを理解するということだと多家良に伝える。「友仁さんの気持ちがわからない」と考える多家良に対し、友仁は…。

 

 

カーテンコール(クアトロ)

1回目

大家良と友仁がこたつで肩を寄せ合って暗転した後(本編)、明転し2人はこたつから、他の4人はセット(玄関口)の後ろから出てくる。雅成くんはお辞儀高め。

 

2回目

全員後ろのセットから登場。出てきた時も前でお辞儀する時もへとへとになってふらついていた雅成くんを井澤さんがさすってくれる(パーカーのフード邪魔そう)。


3回目

フラフラしながらはけてく雅成くん。壁に衝突しそうになる。玉置さんがそんな彼と肩を組む。

 

4回目

飯谷さんは青いパーカーを頭の上でブンブン回してた。

雅成くんはくしゃーって潰れるまで頭を深く下げる。最後は玉置さんにお姫様抱っこされて(不意打ちで本人もびっくり。客席からはキャーっと歓声が上がる)少し照れ笑いしながらバイバイって手を振る。

 

アドリブシーン

「お前なー!」と玉置さんが井澤さんに馬乗りになっているシーン。本来なら胸ぐらをつかむくらい、だそうだけど、今回は大楽ということもあってかヒートアップしていき本気で馬乗りになってた(笑)観客もここで一番笑ってた。

 

演出

白鳥の湖『情景』(多家良の着メロ)が鳴ってから徐々に客電が落ちてく

・インターホンや着信音で回想→現実の世界に戻ることが多い

・水やお茶(セ〇ンの緑茶)は実際に紙コップに注がれてる。最後のシーンの鍋も湯気が出てたり多家良が鶏団子を食べていたところを見ると本物っぽい。

・多家良の散らかった部屋にはリアルなハムのゴミetcが落ちてる

・物語後半では『初級革命講座 飛龍伝』の劇中劇(朗読劇)が一部あり。劇団風にバーってまくしたてる雅成くんも井澤さんも迫力満点。

 

劇場

・天井が高くて横が狭いので落ち着くといえば落ち着くけど、若干窮屈さもある。まるで新幹線に閉じ込められた気分。

・後ろの方の席はオペラグラスがあった方が見やすい

 

その他

・中年男性の観劇者もわりといたので、ダブルの支持率を感じた

 

 

~レポート~

観劇動機

・和田雅成くん主演&ビジュが良い

 

主は2次元の道を通っていないため2.5は特別好きなわけじゃなくて。だからこの前の風都探偵とかじゅじゅステは結局行かなかったが、今回はわりとストプレに近い感じがしたのと、白T+スウェットという大好きな組み合わせだったので入ることに。本当に大楽に入れて良かった。

 

 

感想

舞台ってなんて精神的にも身体的にも負担の大きい媒体なんだろう。カテコでボロボロになったまーしーを見てそう感じた。否が応でも限界を超えるまで演り続ける。それを乗り越える俳優さんたちは本当にすごいなと改めて舞台の偉大さを認識した作品だった。

 

「2.5とはまた全然違う、原作はあるけど違う姿が見れるんじゃないかな。正直まだわからん。怖いなーって思ってるよ。それでも舞台に立つしね、何があっても」

 

「俺はすごい好きなの…うん。精神的にぐちゃぐちゃにはなるんだけど、なんだろうーん…まあ観て。終わり方とか始まり方とか言っちゃうとあれだから」

 

(『りんりんのたこ焼き屋さん』より)

 

ふとまーしーがこんなことを言っていたのを思い出した。失声したあたりからだんだんお芝居が辛くなっていく多家良は見ていて苦しいし、そんな彼に友仁も飯谷さんもマネさんも「無理させてごめん」って負い目を感じているのも、「みんなのせいじゃないよ」って目で訴える多家良も、みんなが帰った後階段をよろよろ上ってたかと思ってたら感情がぐちゃぐちゃになって「役者じゃない自分は何者なのだろう」ともがく多家良も、誰かのせいではないけど自分自身に責任を感じてしまう彼らにひたすら胸が痛んだ。

多家良が友仁さんに気持ちを暴露する最後のシーンは、どうやって気持ちを伝えようかと悩んだ末真っ直ぐ言おうと思ったら友仁さんに止められて、「結局俺は惨めなんだ。お前がいないとダメなんだ」と友仁さん本人も苦しんでるし。

彼らだけじゃなくて、例えば九十九は「俺たちは所詮福神漬けなんだ」って役者故の葛藤に直面するし、飯谷さんは「俺ほとんど出てないから」って自虐ネタかましてるし、ダブルって色んな苦しみに対峙してるんだよな。

 

最後のシーンの話が出てきたのでもうひとつそこにちなんだ話をすると、「好き」という表現の仕方が面白かった。多家良も友仁さんも互いのこと意識し合ってるのみえみえなのに、直接的な表現をさけて行動で示す感じ。屋敷さん(演出家)さすが。多家良、友仁さんと接しているときの距離感異常だもんね。

 

 

物語の展開について

今回は原作未履修で観劇したため、正直わからないところもあった。できたら多家良と友仁さんの馴れ初めの部分もっと描いてほしいな…って思ったんだけど、でもそれはまーしーが言っていたように2人芝居で済んでしまうからできないのがちょっぴり寂しい(引用参照)。その分展開が目まぐるしいのも特徴なんだけど、主は群像劇に慣れているのでそのスピード感についていくのは少し大変だった…(笑)でも、ラストのシーンが穏やかで温かくてすごい素敵だったので、舞台「ダブル」のイメージはここが強い。

「物語が途中から始まるのよ。井澤の役が結構後半に出てきたりとか、他の役もそうで。最初からちゃんとやりすぎると俺と玲央くんの舞台になっちゃうから」

 

「丁寧に説明はするからわかると思うんだけど、置いていかれそうになる瞬間とか初めてだったらあるかもしれないんだけど」

 

(『りんりんのたこ焼き屋さん』より)

 

 

出演者の印象

和田雅成くん

初見:アクターズリーグ2021後夜祭

カミシモ1以来実に1年半ぶりの推しくんはかっこいいうえにきゅるきゅるして可愛くて、冒頭で出てきた時に「いる……!」って感動した。白T、ロンT、パーカー、スウェットと無難な服しか着てないのになんであんなに輝かしいんだろう…まーしーってお顔小さいし細身だから華奢に見えたりするんだけど(周りの俳優が大きすぎるということもある)紀伊国屋のキャパだと舞台映えして大きいことを実感した。2回脱ぐシーンがあり(上裸/ボクサーショーツ)、腹筋(割れてる)も生身の胴も背中もごつごつした手も血管も美脚も拝められるなら8500円なんて痛くもかゆくもない(キスとバックハグ付き)。お姫様だっこするところもされるところも大好きだけど、一番好きだったのは筋トレの機材で鍛えてるシーン。玲央さんと比べると高めに位置するバーにしっかり届くし、やってない時も片足重心できる程度に身長高くて恋。鼻真っ赤になってたの可愛い。

 

玉置玲央さん

初見:舞台ダブル

台詞回しとか言葉の繋げ方とか抑揚とか発声の仕方がすごい劇団員っぽいなって思ってたらやはり柿食う客の方だった。語尾がしぼまないので台詞がとても聞き取りやすい。

 

井澤勇貴くん

初見:松ステ

シデレウス(2022.6)ぶり井澤さん。彼は肩幅ごっついのでまーしーと同じ身長のはずなのに井澤さんの方が何周りも大きく見える。衣装めちゃくちゃ似合ってた(特にトップス)。また、もともと声が大きい上にキーも高いから台詞が非常に聞き取りやすい。

 

永島敬三さん

初見:舞台ダブル

まさかの彼も柿食う客。屋敷さん含めて座組に3人もいるじゃん!飯谷さんは若干空気読めないキャラで愛されてて良いアクセントになってたな。

 

護あさなちゃん

初見:舞台ダブル

綺麗。彼女をマネージャーにするのは勿体ない。身長高いので羨ましい(この座組わりと高め)。

 

牧浦乙葵ちゃん

初見:舞台ダブル

井澤さんも言ってたけど透明感溢れる女優さん。調べてみたらまだ10代でびっくりした(主とほぼ変わらないやんけ)。フレッシュさを残しつつ芯の通った演技が印象的だった。