ここなっつぴぃす

紡いだ夢の先へ

舞台「無人島に生きる十六人」

 

本日20時より、島ステの最速振り返り上映がニコ生にて放送されていました。

 

島ステ。

小説『無人島に生きる十六人』の舞台化。

 

キャストさんが発表されたときに、いなぴの名前があって同姓同名か疑ったけど本人だったり、他にも累生くんやいくみんが出演されるということで、最後の最後まで劇場に赴くか迷いました。本当はとても行きたかったんだけど、なんせ学生で財布が空っぽ…………しっかり日ごろから貯めておきなさいよとは思ってはいるのですが、行きたいライブや舞台がしょっちゅうできるのですぐに使ってしまうのが現状。早くバイトしたい。行けない代わりに毎晩YouTubeで公開されたダイジェスト映像や稽古映像を見ていたので、挿入歌は完全に頭に入っている状態でした。

 

と私情はここまでにして、今から島ステを見て感じたこと、考えたことを書き留めていきます。基本的にレポは劇場で直接見たものしか書かないけど、今回の島ステはやっぱり良かったので書くことにしました。至らない所もあるかと思いますが、ご了承下さい。

 

これは、過酷な状況に置かれながらも夢や希望を持ちづける16人の船乗りの物語。

 

 

国後と範多。一見正反対に見えるけど、実は似たような者同士なのかもしれないー

 

真っ直ぐな最年少の乗組員・国後。

範多から嫌味を言われると真っ直ぐ受け止めてしょげたり、どんな言葉をかけられようとも相手を傷つけることは言わない。役立たずだと言われ、自分にできることを懸命にこなす姿。本当に純粋で心が綺麗な少年である。

ただ、彼の悪いところは「仲間のためになら死んでも良い」と自分の命を軽んずるところである。両親を幼い頃に亡くした影響で「自分を大切にする人はいないから」と思い込み、死を恐れていないことが自分の長所だとまで言っている。もはやここまで来ると、親がいないという強いコンプレックスを抱いていると思うのだが、その気持ちを隠して自分にも周りにも嘘をついている。小川や船長がそれは違うって言うんだけど、本人はわかってない。幼馴染の気持ち、もっとしっかり受け止めてやってほしい。

 

一方、末っ子気質で可愛がられる国後に劣等感を募らせる範多。みんなが見張り台を作っているなか網や遮光ネット(的なもの)を作ったり、ウミガメの牧場を作って食糧を確保する国後に対して「役立たずが」「お子様は黙ってろ」とか刺々しい言葉を投げているし、しまいには牧場を破壊して乗組員を餓死寸前まで追いやる。国後が毎晩アザラシにビスケットをやっていることをばらして船長に彼を戒めるよう請ったりしているけど、自分が牧場を壊した事実は棚に上げて何もなかったかのようにしている。

 

本当にひどい奴だ。協力しなくてはいけない状況下で和を乱す出来事ばかり起こすだなんて。でも、彼の気持ちも理解できるから安易に責めることができない。思うに、彼は自分の出自にコンプレックスを抱き、自分には持っていない愛嬌や素直さを持っている国後にずっと嫉妬している。お前とは違って大きな夢があると自分を上げて国後を見下す。劣等感とコンプレックスで常に尖っている範多だけど、可愛いところもある。「たかが見張り台作っただけで!」ってツンツンしてたら、「登りたくないのか?」って聞かれて即答で「登りたい」と答えたり(ずっこける一同)。しまいには2回登ってる。

 

平和主義者な国後と素直すぎるあまり自分の気持ちをすぐ出してしまう範多、一見正反対な人物に見えるけど、それぞれ抱えているものがあるという点で国後と範多は似た者同士なのかもしれない。

 

このたまに出る素直な感じがとても10代らしいと思った。真っ直ぐな目と心で仲間にぶつかり合ったり、周りを見れず自分の意思だけで先走ってしまったり、自分の気持ちをオブラートに包むことが出来ずそのまま口に出してしまったり。

 

仲間割れが起きそうになったら止めに入るという中間的なポジションで、若い連中を一歩引いたところで常に見ていた船長・水夫たち(大人組)。しかし大人だから何でもわかっているなどということはなく、若者がいないところで自分はどうすればいいのかと常に試行錯誤し、何かあれば自分のせいだと年下の人たちにも頭を下げられる謙虚さ。素晴らしい先輩のもとで国後らは過ごしていたんだなぁとしみじみ。

どんな状況でも歌を歌え、と小笠原のじいさん。範多に「ふざけてるのか⁉」と責められて「大真面目だ!」といい歌い続ける。そしてそれは奇跡を呼ぶ。「じいさんが言うことは本当なのかもな」ってボソリと呟く範多。

 

それぞれ行き違いがあったり揉め事が起きたりしたけど、無人島で生き延びた経験は本当に大きいと思う。一日二日程度なら我慢できるかもしれないが、先の見えない期間出身地も年齢も異なる仲間と共に過ごす大変さ、いつ帰れるかわからない、何が起きるかわからないという不安に打ち勝つこと。無人島で生き延びたこともすごいけど、過酷な状況下…いや、過酷な状況だからこそ仲間と協力し合ったこと。これが宝物なのだ。

 

 

1幕から涙腺がちょくちょく崩壊してた中で、一番リアルだと感じたのは帰りたい気持ちを歌っていたシーン。みんな「無人島での生活頑張ろう!オーーーッ!!」みたいな感じだったけど、実際はやっぱり本土が恋しくて10代の連中は素直にその気持ちを吐露している。それぞれやりたいことがあるという夢は同じなんだけど、それを叶えるためのプロセス・考え方が異なるから衝突も起きる。3日間飲まず食わずならもっと大きな衝突が起きた可能性も考えられたけど、あの程度で済んだのは船長の力かなと思う。船長が絶対とされてはいるけど、船長自体はとても寛容な人で、一人ひとりの意見を尊重し、よっぽどのことでない限り好きなようにやらせてくれる。

 

 

人間の残酷さを感じた。同時に、仲間の素晴らしいさも。

 

範多が読んだことのある本によると人間は極限になると共食いをするらしい。かつてこの島にたどり着いたと思われる者の頭蓋骨には傷跡がたくさんあったーつまり自滅したということ。人間は極限まで追い込まれると何をするのかわからない。だから仲間と協力する。仲間割れを起こしてしまったら取り返しのつかないことになるから。

 

私自身は何か事態が発生したら自分で解決するタイプである。人に頼るのはなんだか申し訳ないし、頼む暇あったら自分でやった方が早いやと感じてしまう。でも、周りを頼ってみるのもいいなぁって思えた。

 

しかし、全部が全部生き延びることを目指すだけのシーンではなく、抜け感のあるシーンもちょくちょく織り交ぜてたのがとても良かった。

 

例えば、人間は極限になると共食いをするという流れで、唯一お尻の肉は美味しいらしいと範多が発言したとき。相棒の父島のお尻を見て「まずそう」って言ったり、飢えのあまり四つん這いになっていた浅野のお尻を見て「美味しそうだ」といいかぶりつこうとしたり。しかし、浅野はこの話を知らないので、急に範多にお尻を揉まれ「そういうのはやめて!気持ちは嬉しいけどそれには答えられない!」。

アドリブも多い。印象に残っているのは見張り台のシーン(先程記述)と国後小川がウミガメの牧場を作るシーン。「ウミガメの気持ちになって棒を立てて」とムチャブリされ、床に這いつくばりながら歩く範多(これ見て笑いが止まらない圭登くん)。「ここにお店を建てる!」「(小川)無人島だから人来ないよ…?」「僕とアザラシくんで作るの!」なんて意味深長なことを言ったり、しまいには「テーマソングもあるの!」なんて言ってマンボーみたいな曲(原曲知らない)歌ったので、配信でピー音が入る。

 

 

やっぱり面白かった。

総括。めちゃくちゃ典型的な演劇作品って感じがして面白かった。結局観劇できなかったというモヤモヤした気持ちがずっと残ってたのでようやく成仏(良くも悪くも印象に残る作品って、心残りがあったり気持ち良い結末を迎えられなかったりするものなんですよね。私の場合私情で1幕しか見れなった作品とかずっと頭の中に残っているし、この島ステも心のどこかで引っ掛かっていた節があるので)。ストレートのわりには歌をかなり織り込んでるけど、キャッチーで良い。特に「一つ!島で手に入るもので暮らしてく〜」の局は初めて聞いたとき以来未だに口ずさんでる。1幕最初と最後あの歌で締めるの最高。

終わり方がとても気持ちよくて、日本に帰還した後この16人はどうなるのかなぁ…数ヶ月間共にした仲間とは離れ離れになるのかなぁ…と想像力を掻き立てられた(考えると涙出てくる)。

 

 

~出演者の印象~

 

・圭登くん

初見:ワーステ

印象:記憶の限り、ワーステで名前拝見したときには「聞いたことある!」って感じだった気がする。櫻井圭登って漢字的にめちゃくちゃ強そうでごついイメージあるけど(ド偏見)、実際は華奢で小柄な好青年。ACTORS LEAGEの後夜祭で自虐ネタ(「ボク何もしてないんです!」)見て以来ハマりつつある。あのルックスでしっかり170あるのは罪。でも、1幕終盤の方で上裸になったときあまりにも細すぎて薄っぺらくて心配になってしまった。今にでも折れちゃいそう…ちゃんと食べてね。

 

・校條くん

初見:島ステ

印象:萩ちゃんながつ主演のリトファンが4月1日に解禁されたとき、上の方にお名前あって「聞いたことあるな…島ステだっけ?」。漢字読めなくて「まいきょ けんたろう」かと思ってました。リトファンが稽古入ってからはツイッターもフォローし始めました。猫好きなんですね…猫好きな俳優さん多くない(雅成氏、蒼木陣くんetc)!?お恥ずかしい限りなのですが、校條くん、国後の相方・小川の方だと思ってましたすみません。はっきりしたお顔立ちで好き。

 

・松田岳くん

初見:島ステ

印象:お名前は何回か聞いたことあるなー程度だったのですが、今回初めて見てみて好青年だなーって印象を持ちました。

 

・いくみん

初見:ACTOR LEAGUE

印象:アクリで顕嵐と同じチームで存在を知り、その後2.5ハマって見始めたあそびばで「あのアクターズリーグ出てた子じゃん!」と繋がる。役者・井阪郁巳以前に面白い素の井阪郁巳を知っていたため、お芝居している姿は新鮮でした。以前インスタライブで嶺亜や那須くんのお名前出してくれたときは嬉しかったなぁ…こうやって界隈超えた繋がり萌えるタイプなんです、実は。

 

・累生くん

初見:文スト映画

印象:お名前自体は斬月やR&Jで存じ上げていたり、ハイチル解散時のインライでも見ていたはずなんだけど、しっかり認識したのは文ストの映画。累生くん演じる太宰本当にかっこよかった。声が良い。織田作への気持ち考えると切なかったけど。累生くんも上裸のときほっっっそくて折れそうだった。心配だから筋肉つけてほしい。

 

・小坂涼太郎さん

初見:島ステ

印象:たびくらげ探偵日記に出演されてた坂口涼太郎さんとごちゃごちゃになる。186ってでか。でも、慈伝で観たことあるらしい。

 

佐伯亮くん

初見:島ステ

印象:陣くんや巧麻くんと同じSUN PLUSの子だよねーって認識はありましたが、しっかり拝見したのはこの島ステ。

 

・前田隆太朗くん

初見:島ステ

印象:お名前は多数聞いたことあります。

 

・稲葉光

初見:記憶になし(しっかり認知したのは2018年くらい?)

印象:お帰りなさいいなぴーーーー!!素敵でした!ジャニーズ退所してから初めて彼のお芝居を見てたけど良かった!!お顔が綺麗なのはもちろんのこと、イチ役者として良かった。セリフも思ってたより結構あって嬉しかったな。

 

中村誠治郎さん

初見:島ステ

印象:頼れる船長。お名前は以前から聞いたことある。